経済指標発表によって、EA運用で大損するのはスプレッドの急拡大で損切りが効かない・スリッページで意図しない価格で約定する・ロジックが指標変動に対応できないなど、いくつかパターンがあります。
そして、EA運用の破綻は「経済指標発表のタイミングを知ること」「自分の運用目的に合ったEAを使うこと」で回避できます。
破綻を防ぐEA運用のポイント
- EA運用者は「経済指標発表の前後」に自動売買を停止するルールを徹底すべき
- トレーダーは「高勝率=安全」と思い込まず、損益比やドローダウンにも注目すべき
- EAの設計者は「相場の急変動」に耐えられるロジックやリスク管理を組み込むべき
- 「フォワード成績が一時的に良いEA」ではなく、長期的な安定性を重視すべき
この記事では、経済指標発表によるEA運用の破綻例を上げつつ、破綻を防ぐ運用ルールの考え方を解説します。
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なぜ経済指標でEAは破綻するのか?|チャートとスプレッドの「見えない罠」

- EAは平常時のスプレッドや値動きを前提にロジックが設計されている
- 経済指標発表時はスプレッドが通常の数倍に拡大し、想定外の誤差が生じる
- 指標直後の急変動でEAの損切りや決済が正常に作動しなくなることがある
- 過去にはNFP直後にスプレッドが10倍に拡大し、EAが破綻した事例がある
- EAは「価格の飛び」や「約定ずれ」に極端に弱く、設計上の盲点となりやすい
EAの破綻リスクが最も高まるのは、月初の「米雇用統計(NFP)」やFOMC(米連邦公開市場委員会)などの発表直後です。
実際に、2023年10月6日のNFP発表直後には、ドル円がわずか15分で約1.2円の急変動を起こし、同時にスプレッドは通常の10倍(1.5pips→15pips)まで拡大しました。
EAは過去の取引結果に基づいて、平時の相場で利益が出やすいようにロジックが設計されています。
言い換えれば経済指標発表時のように、スプレッドが大きく変動するような場面ではスプレッドが大きく変動し、価格が飛ぶような局面では、EAの前提条件そのものが崩れやすくなるのです。
逆指値もすり抜ける?FOMC発表後に起きた長期型EAの破綻事例
- スイング系EAが指標前から含み損を抱え、イベント直後に急落
- FOMC後のドル高で、逆指値を超える急変動が発生
- 約定が滑り、ストップロスが無効化されてロスカット到達
スイング型のEAは、ポジション保有期間が長いため“指標跨ぎ”のリスクに無自覚なケースが多く見られます。FOMCではドル円が一気に1円以上変動することがあり、仮に逆指値を入れていても、スリッページによりその水準での約定ができなくなるのです。
その結果、逆指値が機能せず、数百pips単位の含み損を抱えたままロスカットに至るケースが見受けられます。EAは相場の急変動に即応できないため、大きな損失を出すケースも珍しくありません。
“勝率の高さ=安全”ではない。ゼロカットにつながるEAの共通点
| EAタイプ | 特徴 | 勝率 | リスク要因 | 破綻しやすい場面 |
| ナンピン型 | 含み損時に同方向へ追加エントリー | 高 | 含み損が雪だるま式に膨張 | 一方向にトレンドが出た時 |
| マーチン型 | 損失後にロットを倍増させる | 高 | 連敗で一撃ロスカット | 高ボラティリティ時 |
| 高頻度型 | 数秒〜数分で多数の取引を行う | 中〜高 | スプレッド拡大や約定遅延に弱い | 経済指標発表時 |
| 逆張り型 | トレンドに逆らってエントリーする | 中〜高 | トレンド継続時に損失拡大 | ブレイクアウト相場 |
| 長期放置型 | 含み損を抱えたまま保有を継続する | 中 | 損切りタイミングを逃しやすい | 突発イベント・地政学リスク時 |
(破綻リスクを抱えやすいEA分類表)
たとえば、ナンピンやマーチンゲールを採用したEAでは、連敗時にポジション数やロットが急増し、想定以上のドローダウン(最大資産減少)を引き起こすことがあります。
一見すると月間の勝率が90%を超えていても、たった1回のトレンド相場や急変時で、過去の利益をすべて失い、ゼロカットに至るケースもあります。
EAの安全性を見抜くには、バックテストや損益曲線よりも、「取引ごとのリスク設計」や「損失許容構造」をもとにEAのロジックを分析すべきです。
勝率ではなく、「破綻しにくいロジック」が備わっているかこそ、稼げるEA運用の核となるでしょう。
ナンピン・マーチン型EAはなぜ破綻しやすいのか?|積み増しロジックの弱点とは
- ナンピン型EAは、相場が逆行するたびに同方向のポジションを追加し続ける
- マーチン型EAは、連敗時にロットを倍増しながら損失の回収を試みる設計である
- どちらのロジックも「相場が反転して戻る」ことを前提に組まれている
- 一方向に動き続ける相場では、含み損とポジション数が急速に拡大する
- 損失の膨張が口座維持率を圧迫し、強制ロスカットやゼロカットに直結しやすい
ナンピン型EAは、相場がエントリー方向と逆に動いた際に、ポジションを追加し続ける設計です。
マーチン型は、トレードで負けるたびにロットを倍増させ、次の勝ちで損失を一気に取り返すよう設計されています。
どちらのロジックも、相場価格そのものが反転し、含み損が解消されて利益に転じることを前提にしています。
しかし、実際の相場では、一方向に強く動き続ける局面が少なくありません。
そのような状況では、ナンピンやマーチンで追加されたポジションが積み上がり、損失の総額とポジション数が急激に膨らんでしまうのです。
高頻度・トレンド追従型EAが指標発表で破綻しやすい理由とは?
- 高頻度型EAは数pipsを狙う設計のため、急変動に極端に弱い
- トレンド追従型EAは指標直後の乱高下で逆方向に巻き込まれやすい
- 経済指標発表時はスプレッドが通常の10倍以上に拡大することがある
- スリッページは注文殺到と価格変動により意図しない約定を引き起こす
- 指標による損失を防ぐには、EAを指標の前後に停止する判断が重要である
高頻度型EAやトレンド追従型EAは、わずか数pipsを狙う精緻な設計であることが多く、NFPやFOMCなど指標直後は、通貨の乱高下が激しい傾向があります。
実際、2023年10月6日のNFP発表時には、ドル円が15分で1.2円動き、スプレッドが通常の10倍以上に拡大しました。
経済指標発表後は、エントリーや決済のレートが意図しない価格で約定する「スリッページ」が発生します。
なぜなら、指標の影響で相場が急変し、注文が殺到することで価格が高速で変動し、希望した価格に注文が通りにくくなるためです。
経済指標発表による損失を防ぐには、発表の前後にEAを止める必要があります。
“経済指標発表前後はEAを止める”|破綻を防ぐ運用のコツ

- 相場は経済指標発表前から流動性が低下し、スプレッドが異常拡大しやすくなる
- EAは急変動下でロジック通りに約定できず、想定外の損失が発生しやすい
- 指標直後は注文板が薄くなり、価格が滑りやすくEAが不利な価格で約定する
- 多くのトレーダーが事前にポジション整理を行い、市場が一時的に無秩序になり乱高下が起こりやすい
- 発表1時間後までは高ボラティリティ状態が続き、EAの稼働に適さない相場環境になる
経済指標発表の30 分前、発表1時間後までEA止めれば、NFPやFOMAC発表による大損を防げます。
その理由は、発表直前から直後にかけては相場の流動性が不安定になり、スプレッドの急拡大やスリッページが多発するため、EAのロジック通りに約定せず、大きな損失につながる可能性が高いためです。
また、指標発表後は市場参加者の注文が一気に集中し、通貨ペアの注文板(オーダーブック)が薄い状態で大量の注文が通ることで、価格が一方向に滑りやすくなるため、EAがロジック通りに約定せず、損失を抱えやすくなります。
そのような背景があるからこそ、経済指標発前後はEAを止める必要があります。
EA破綻は防げる!|プロが実践する“経済指標カレンダー”の鉄壁ルール
| 項目 | 内容 | 見るべきポイント | 活用のヒント |
| 日時 | 指標が発表される日付と時間 | EAの停止タイミングを逆算する基準 | 発表30分前〜1時間後をあらかじめカレンダーに登録 |
| 国名 | 指標の発表国 | 自動売買対象通貨と一致するか | ドル円→米国指標、ユーロドル→欧州指標を優先チェック |
| 重要度 | ★〜★★★などで表現される影響度 | ★★★の高重要度は特にリスク管理が必要 | 高重要度のみ通知設定にすると効率的 |
| 指標名 | 失業率、GDP、NFPなどの名称 | 相場変動に直結するかの判断材料 | NFP・FOMC・CPIなどは要警戒ワードとして記憶 |
| 前回・予想・結果 | 前回値/市場予想/実際の結果 | 予想と結果の乖離に注目 | 乖離が大きいほど値動き急変 |
(経済指標カレンダーの確認項目と活用のポイント)
経済指標によるEA運用への影響度分析には「経済指標カレンダー」が便利です。具体的には、カレンダーで「日時」「国」「重要度」「指標名」「前回・予想・結果」の5つの項目を見れば、どの通貨が、いつ、どの程度の変動を起こしそうかが見えてきます。
たとえば、「米国・雇用統計(NFP)」のように重要度が★★★で、予想と結果に大きな乖離がある指標では、ドル円をはじめとする関連通貨が短時間で1円以上動くことも珍しくありません。
経済指標の情報を事前に把握しておけば、EAの稼働を止めるべき時間を把握でき、大きな損失リスクを未然に回避できます。
EA運用における“勝ちパターン作りは”、「指標回避のルール作り」から始まるのです。
自分にあったEAを見つけて、経済指標を逆手に取ろう!

経済指標発表による損失を避けるならばEAを止めるしかありません。
発表の前後は、直後は相場が一時的にパニック状態となり、スプレッドの急拡大やスリッページが発生しやすく、どんなに優秀なロジックでも“想定外の値動き”が起こりがちです。
だからこそ、事前に「重要指標発表のスケジュールを把握し、発表前後30分間はEAを停止する」という運用ルールを明文化しておく必要があります。
EAをただ動かすだけでなく、止めるタイミングをコントロールできるかどうかが、長期的な安定運用の分かれ道になります。
その上でEA運用において「どう止めるか」を学んだ後は、「何を動かすか=EA選び」が鍵となります。
急変動時でも強さを発揮するEAや、指標回避ロジックを備えたEAを使い分けながら、自分のスタイルにあった運用を設計していく。これが、EA運用をリスクから守りながら勝ち筋を作るための、次の一手です。
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