EA-BANK モーニングレポート
米雇用統計が好結果となるも、慎重な売買に(12.2 NY時間)
先週末のNY市場では、米株がまちまちでの引けとなりました。米雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を上回っており、金融引き締めに対する警戒感が強まり、朝方からリスク回避的な動きが強まり、ダウが一時355ドル安まで下落しました。しかし、売り一巡後は持ち直し基調となり、ダウはプラス圏に浮上しての引けとなりました。足元の米経済の好調が意識されたことやFEDの利上げペースの減速に対する見方に変化はないとの思惑が強まったことで買い戻しの流れが強まり意ました。ダウは34ドル高の34429ドルで引けました。
米国債市場では、利回りがまちまちでの引けとなりました。米雇用統計を受けた債券売りの流れが展開されましたが、FEDの利上げペースを減速するとの見方に変化はないとの見方が強まり債券が買い戻される展開となりました。2年債利回りなどはプラス圏での引けとなりましたが、長期債利回りがマイナス圏に沈む格好となっています。2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが拡大する展開となり、先行きに対する警戒感は強まっています。米10年債利回りは3.48%台半ば、30年債利回りは3.54%台半ばから後半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 米雇用統計の好結果を背景にドル急騰も、米債券安で反落
為替相場では、ドルインデックスが小幅に下落しての引けとなりました。米雇用統計を受けてドルインデックスは急騰して105台半ばを回復する展開となりました。しかし、その後は調整の動きや米国債利回りの上値が抑えられたことなどを眺めてドル売り圧力が強まり、結局前営業日比マイナスの104台半ばでの引けとなりました。ユーロ/ドルは105台前半から半ば、ポンド/ドルは1.22ドル台後半でそれぞれ引けました。
円は買われやすい地合いとなりました。米雇用統計を受けてドル/円が一時急騰し、クロス円も底堅い動きとなりました。しかし、ドルに対する買いの流れが巻き戻される中でドル/円も上値を抑えられ、結局1円以上の下落となって引けました。クロス円も全般的に上値の重さが意識される展開となり、円買い優勢の流れとなりました。ドル/円は134円台前半、ユーロ/円は141円台半ば、ポンド/円は164円台後半でそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 上値重い展開
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から調整の動きが入り、中心線で一時支えられる場面もありましたが、そこから売りの流れが強まりバンドの中心線を下抜けています。目先は-1σで支えられていますが、上値は重く方向感の見えにくい展開となっています。
現状、バンド幅が緩やかに縮小する展開となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積していく状況です。ただ、まだ縮小の余地は大きく、大きな動きにはなりにくい局面だといえます。レンジ圏での動きが意識され様子見ムードが強まる可能性が高く、バンドの中心線と下限で挟まれたレンジで動きやすい局面だといえます。