EA-BANK モーニングレポート
利上げペース減速の発言で、米株価急騰(11.30 NY時間)
昨日のNY市場では、ダウが大幅上昇となって引けました。朝方はパウエルFRB議長の発言に対する警戒感などから売り圧力が強まり、ダウは一時268ドル安まで下落しました。しかし、パウエルFRB議長が12月にも利上げのペース減速の可能性もと発言したことなどを受けて急激にリスク志向の動きが意識されました。結局ダウは日中高値の737ドル高の34589ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大幅に低下。短期債利回りを中心に下げ幅を拡大しており、2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが縮小する展開となっています。パウエルFRB議長の発言を受けてタカ派的な見方が後退し、債券に対する買い戻しの動きが強まる展開となっています。2年債利回りや10年債利回りは10bpを超える下げとなっており、下値を拡大しています。現状米10年債利回りは3.61%台半ば、30年債利回りは3.74%台半ばでそれぞれ推移しています。
為替相場 – タカ派的な見方の後退で、ドル軟化
為替相場では、ドルインデックスが下落。パウエルFRB議長の発言を受けて米国債利回りが大幅低下となったことを眺めてドル売り圧力が強まる展開となっています。ユーロ/ドルは1.04ドル台を回復、ポンド/ドルも1.20ドル台を回復する動きとなっています。ドルは主要通貨に対して売られやすい地合いとなっています。現状ユーロ/ドルは1.04ドル台前半、ポンド/ドルは1.20ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は全体的には売られやすい地合い。ドルインデックスの下落を眺めてドル/円は売られる流れとなり、138円を挟んでの動きとなっています。一方、クロス円は全体的に上昇基調となっています、リスク志向の動きが意識される中で円に対する売り圧力が強まる状況となっています。現状ドル/円は138円台前半、ユーロ/円は143円台半ば、ポンド/円は166円台前半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 目先は持ち直し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から売りの流れが急速に強まり、一気にバンドの中心線を抜けて下限をブレイクする展開となりました。そのままバンドウォークとなって下値を拡大しましたが、目先は小幅に持ち直しています。このまま上昇基調を維持することが出来るかに注目です。
現状、バンドの上限は上昇、下限は下落といった動きであり、バンド幅の拡大傾向が継続しています。目先は押し戻していますが、バンド幅の拡大基調が維持された場合は再度売り圧力が強まる可能性もあります。バンドの上限の方向感に注意しながらの対応が必要な局面ではありますが、上値の重い展開が継続する可能性は高いといえます。