EA-BANK モーニングレポート
「FF金利は5-7%のレンジになる可能性」との発言で、ダウ下落(11.17 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落しての引けとなりました。朝方、「政策金利は5-7%のレンジになる可能性がある」とのブラード・セントルイス連銀総裁のタカ派的な発言が嫌気されリスク回避的な動きが強まり、ダウは一時314ドル安まで下落しました。しかし、足元ではインフレに対する警戒感は和らいでいることや、地政学的リスクが後退したことなどを背景に、売り一巡後は下げ幅を縮小し7ドル安の33546ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大幅上昇となって推移しています。ブラード・セントルイス連銀総裁の発言を受けて短期債を中心に売り圧力が強まりました。2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが拡大する展開となっています。現状米10年債利回りは3.76%台半ば、30年債利回りは3.87%台後半でそれぞれ推移しています。
為替相場 – FF金利7%の可能性を睨み、ドル上昇
為替相場では、ドルインデックスが上昇。米国債利回りが大きく上昇する展開となったことでドルに対する買いの動きが強まる状況となっています。ブラード・セントルイス連銀総裁はFF金利に関して、7%の可能性にも言及しており、市場には警戒感が高まる状況となっています。こうした動きを受けて、ユーロ/ドルは1.03ドル台半ば、ポンド/ドルは1.18ドル台半ばまで下落しました。
円は売られやすい地合いとなっています。ドルに対する買い意欲が強まる中でドル/円が140円台を回復しており、クロス円の下値を支えました。豪ドル/円が小幅に下落していますが、全体的には円に対する調整売りの流れが意識される展開となっています。現状ドル/円は140円台前半、ユーロ/円は145円台前半、ポンド/円は166円台前半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 上値重い展開
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をバンドウォークする展開から調整の動きに転じ、目先はバンドの中心線を挟んでの動きとなっています。狭いレンジでの動きであり方向感の見えにくい展開となっていますが、バンドの中心線を割り込んでいるため、まずはこのまま下落基調を強めるかどうかに注目です。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇といった動きとなっており、バンド幅は縮小傾向です。市場には徐々にエネルギーが蓄積されてきており、動き出したら大きくなる可能性が出てきています。ただ、まだ縮小の余地が残っていることや、バンドの中心線を挟んでの小動きとなっていることを考えると、しばらくは方向感を見極めながらの対応が必要だといえます。