EA-BANK モーニングレポート
利上げペース減速観測の高まりで、ダウ急騰(10.21 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が大幅上昇しての引けとなりました。朝方は長期金利の上昇に伴う割高感などから上値を抑えられる場面もありましたが、その後WSJが12月のFOMCにおいて利上げペースの減速が議論となる可能性があるとの報道を受けて、リスク回避的な動きが急速に巻き戻され、米株もプラス圏に浮上して上値を拡大する展開となりました。ダウは748ドル高の31082ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りがまちまちでの引けとなっています。朝方は米国の大幅利上げ継続に対する思惑から債券に対する売り圧力が強まる展開となりましたが、その後のWSJの報道を受けて急激に買い戻しの動きが強まり、2年債利回りなどは10bpを超える下げ幅となりました。その一方、米株の大幅上昇などを眺めて30年債利回りなどは10bpを超す上げ幅となるなど、急激に2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが縮小する展開となりました。米10年債利回りは4.21%台半ば、30年債利回りは4.33%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 為替介入により、ドル/円は一時146円前半に
為替相場では、ドルインデックスが大幅下落となって引けました。米短期債利回りが大幅低下となる中でドルに対する売り圧力が強まる展開となっており、ドルインデックスは112を割り込んでいます。米国の利上げのペースが減速するとの思惑からドル買いの流れが急激に巻き戻されました。ユーロ/ドルは0.98ドル台半ば、ポンド/ドルは1.13ドル台を回復しての引けとなりました。
一方、円は急激に買い戻される展開となっています。WSJの報道を受けてドル/円が上値の重い展開となっていたことに加え、政府日銀が介入に踏み切った模様で、下げ幅を拡大しました。神田財務官は介入の有無に関してコメントしないと述べましたが、日経新聞が介入を実施したと報じています。ドル/円は一時146円台前半にまで押し込まれました。ドル/円は147円台半ば、ユーロ/円は145円台半ば、ポンド/円は166円台後半でそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 上値重い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から一気に下限まで下落し、そのままバンドブレイクからバンドウォークといった展開となりました。そこから持ち直す動きを見せたものの、バンドの中心線までは戻せずに上値を抑えられる展開となっています。目先は-1σ前後の水準を挟んでの動きが展開されています。中心線を目指しての動きとなるのか、下限を目指しての動きとなるのかに注目です。
現状、バンドの上下限中心線が下落する展開となっており、トレンドそのものが下向きです。目先は若干押し戻していますが、上値の重さが意識されやすく、再度バンドの下限まで下落といった動きとなる可能性が高そうです。バンドの下限の下落の勢いが若干落ちており、これが横ばいから持ち直しといった動きとなれば、積極的に下値を拡大するといった動きにはなりにくい状況となります。