EA-BANK モーニングレポート
米金利の大幅利上げ観測根強く、米株上値が重い(9.14 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が小幅に上昇しての引けています。前営業日の急落に対する買い戻しの動きや、生産者物価指数の2か月連続マイナスなどが意識される展開となっています。ただ、9月FOMCの大幅利上げに対する警戒感は根強く、売り圧力がくすぶる状況となっています。ダウは一時210ドル安水準まで下落する展開となりましたが、引けにかけて持ち直し30ドル高の31135ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りがまちまちでの推移。利上げに対する警戒感の高まりから短期債に対する売り圧力が強まる一方、長期債に対する買い戻しの動きが意識され、10年債利回りや30年債利回りなどはマイナス圏での推移となっています。2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが一時33bp強に拡大し今世紀最大となっており、リセッションに対する懸念も強まる状況となっています。現状米10年債利回りは3.40%台半ば、30年債利回りは3.45%台後半でそれぞれ推移しています。
為替相場 – 日米欧、金利差拡大による円安傾向根強い
為替相場では、ドルインデックスは軟調地合いで推移。米短期債利回りが上昇してドルの下値を支える一方、ECBの大幅利上げに対する思惑などが意識されており、ユーロに対する買いも見られています。ユーロ/ドルはパリティを挟んでの動きであり、やや方向感の見えにくい展開となっています。また、ポンド/ドルは小幅に買い戻される動きとなっており、1.15ドル台半ばでの推移となっています。全体的には調整の動きからややドル売りが意識されていますが、大きな動きにはなっていません。
円は、日銀がレートチェックを実施したといった報道が意識され、円に対する買い戻しの動きが強まっています。ただ、日米金利差の拡大に対する思惑は根強く、一時142円台前半まで下落したドル/円も、目先は143円台前半まで押し戻されています。クロス円も全体的に円安修正の流れとなっていますが、特にユーロ/円は1円以上の下落となっています。現状、ドル/円は143円台前半、ユーロ/円は142円台後半での推移となっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 小動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限から持ち直し基調が維持されてバンドの中心線を抜ける動きとなっています。ただ、バンドの+1σ前後の水準で抑えられる動きで、目先は方向感の見えにくい流れとなっています。レンジ圏での動きが強まっているため、しばらくは方向感の見えにくい流れが継続する可能性が高いといえます。
現状、バンドの上下限中心線が横ばいでの推移となっています。バンドの上限と中心線で挟まれたレンジでの動きが意識されやすい状況だといえます。バンド幅はそこまで縮小しているわけではないため、バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要ですが、しばらくは大きな動きにはなりにくい局面だといえます。