EA-BANK モーニングレポート
米雇用統計の結果はまちまちも、ダウ下落(9.2 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が大きく下落しての引けとなりました。朝方は買い戻しの動きや米雇用統計において非農業部門雇用者数が市場予想を上回った一方、失業率と平均時給が予想を下回っており、米国の急激な金融引き締めに対する警戒感が和らいだことで米株は買いの流れが強まりました。しかし、買い一巡後は天然ガスパイプライン『ノルドストリーム1』の稼働停止延長の報道等を背景に引けにかけて売り圧力が強まり下げ幅を拡大しました。ダウは337ドル安の31318ドルでの引けとなりました。また、NASDAQなども売り優勢の流れとなりました。
米国債市場では、利回りが短期債利回りを中心に低下しての引けとなりました。2年債利回りなどは100bp超の下落となっています。米雇用統計を眺めて利上げ加速に対する思惑が後退し、債券に対する買い戻しの動きが強まりました。米株が軟調地合いとなったことも債券に対する買い意欲を強める結果となっています。ただ、FEDがタカ派的な金融政策を一定期間維持するとの思惑から長期債利回りは下げ渋る展開となりました。米10年債利回りは3.18%台、30年債利回りは3.34%台でそれぞれ引けました。
為替相場 – ドル/円底堅く、円売り優勢
為替相場では、ドルインデックスが下落しての引けとなりました。米国債利回りの低下や欧州株の上昇などを眺めてドル売りの流れが強まりました。しかし、NY時間に入り米雇用統計の結果に対する動きが巻き戻される展開となり、ドルも買い戻しの動きが強まりました。ユーロ/ドルは0.99ドル台前半、ポンド/ドルは1.14ドル台後半での推移となっています。
円は、ドル/円が140円を挟んでの動きとなりました。米雇用統計を受けてリスク志向の動きが意識されて一時140円台後半まで上昇する展開となりましたが、その後米株の上値が抑えられたことや米国債利回りの低下などを背景に140円を割り込む水準まで下落しましたが、下値は堅く140円を意識しての動きとなりました。また、クロス円は全般的には底堅い動きとなりました。ポンド/円が上値を抑えられましたが、ドル/円のしっかりとした動きを眺めて堅調地合いで推移しました。ユーロ/円は目先139円台前半で、ポンド/円は161円台前半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – やや上値重い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線を挟んでの動きとなっています。目先はやや上値の重い展開ですが、大きな動きにはなっておず、様子見ムードが強まる流れとなっています。方向感を見極めながらの展開が意識されているため、しばらくは小動きとなる可能性が高いでしょう。
現状、バンド幅が縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されてきています。動き出したら大きくなる可能性があるため、バンドの上限もしくは下限での動きに注意が必要です。ただ、目先はバンドの中心線を挟んでの動きであり、方向感を探る局面となっています。