EA-BANK モーニングレポート
パウエル議長の講演で、ダウは1000ドル超安(8.26 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が大幅下落となって引けました。ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を受け、タカ派的な金融政策に対する警戒感が高まり、リスク回避的な動きが強まりました。パウエル議長は9月の利上げ幅に関しては経済データ次第との姿勢を示しましたが、インフレに対する警戒感が依然として根強く、政策金利の高止まりが意識されました。ダウは引けにかけて下げ幅を拡大し、結局1008ドル安の32283ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りがまちまちでの引けとなりました。短期債利回りを中心に上昇しましたが、30年債利回りはマイナス圏での引けとなっています。米国のタカ派的な金融政策を背景に短期債に対する売りが意識される一方、米株の大幅下落を受けて債券に対する買い戻しの動きが強まり、利回りの上げ幅は縮小する展開となりました。米10年債利回りは3.04%台、30年債利回りは3.19%台でそれぞれ引けました。2年債利回りと10年債利回りのスプレッドが拡大する展開であり、リセッションに対する警戒感が一層強まる流れとなりました。
為替相場 – 日米金利の拡大睨み、円売りドル買い加速
為替相場では、ドルインデックスが上昇しての引けとなりました。パウエルFRB議長の講演を受け、金融政策のタカ派的な傾向が維持されるとの思惑が強まり、ドルに対する買い意欲が意識されました。ただ、ボスティック・アトランタ連銀総裁が9月の利上げ幅に関して『50bpの利上げに傾いている』と述べたことで、ドルに対する売り圧力が強まる場面も見られました。結局ドルインデックスは上昇したものの、米国債利回りの上昇が抑えられたこともあって上値は限定的なものとなりました。ユーロ/ドルは0.99ドル台半ば、ポンド/ドルは1.17ドル台半ばでそれぞれ引けました。
円は対ドルで大幅下落となる一方、オセアニア通貨に対しては買い戻される展開となりました。米国のタカ派的な金融政策に対する思惑から日米金利差の拡大が意識され、円売りドル買いの流れが強まり、ドル/円は1円超の上昇となりました。ただ、米株の大幅下落を背景に、円に対する買い戻しの動きも見られており、全体的にはまちまちでの引けとなりました。ドル/円は137円台半ば、ユーロ/円は137円台前半でそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 上値拡大
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの-2σを意識しての動きから急激に持ち直し基調を強め、バンドの中心線を抜けてそのままバンドの上限まで上昇する展開となりました。上限をブレイクする動きも見られましたが、一時調整の動きが意識されてバンドの中心線まで下落するも、そこで支えられて再度持ち直す流れとなっています。目先はバンドの上限から調整の動きが意識されましたが、下値が堅く下げ渋り、じり高基調となっています。買い意欲が強まる中で上値を拡大しやすい形であり、再度バンドの上限まで上昇する可能性もあるでしょう。
現状、バンドの上下限中心線が上昇する形となっています。トレンドそのものが上向きであり、買い優勢の局面です。バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいものの調整を入れながら上値を拡大するといった流れになりやすい局面です。目先は調整の動きが意識されたものの、下値が堅く上値を拡大する展開であり、一時的に調整の動きが入る可能性はあるものの、基本的には買い優勢で上値を拡大しやすい形といえます。