EA-BANK モーニングレポート
米経済の先行きに対する懸念が高まり、米株急落(6.16 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が大幅下落となって引けました。米国の利上げ加速に対する警戒感が意識される一方、昨日発表された米国の住宅指標や新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が軒並み市場予想を下回ったことで、米経済の先行きに対する不透明感が高まり、リスク回避的な動きが強まりました。ダウは一時920ドル安水準まで下落し、引けにかけて若干持ち直したものの740ドル安水準となり、30000ドルを割り込んでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大幅下落。一時プラスに転じる場面もありましたが、米株が大きく下落する展開となったことで安全資産としての米国債買いが強まり、利回りは下値を拡大する展開となっています。短期債利回りを中心に下げ幅を拡大しており、長短金利差が拡大する展開となっています。現状米10年債利回りは3.19%台、30年債利回りが3.24%台でそれぞれ推移しています。
為替相場 – 米株安を背景に、ドルインデックス大幅下落
為替相場では、ドルインデックスが大幅下落となって推移しています。米国債利回りの大幅低下などを背景に、ドルに対する売り圧力が強まる展開となっています。英国の金融政策に対する思惑などもドルの上値を抑える展開となっています。ユーロ/ドルは1.05ドル台半ば、ポンド/ドルは1.23ドル台半ばといずれも100bpの上昇を見せています。
円は全体的にはまちまちでの推移。ドルインデックスの下落を背景にドル/円が下値を拡大し、132円台前半まで1円以上押し込まれる流れとなっています。株安を受けた円買いの流れも意識されてクロス円も上値の重い展開となりましたが、ポンド/円は163円台前半で底堅い動きとなって推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –持ち直し基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限から持ち直し基調となり、一時バンドの-1σ前後の水準で抑えられましたが、再度上昇に転じてバンドの中心線を意識しての動きとなっています。ここで抑えられて再度バンドの下限まで下落するのか、中心線をブレイクして上限まで上昇するのかで流れが大きく変わってきます。
現状、バンドの上限が下落基調を強め、下限がじり高基調へと転じています。バンド幅が徐々に縮小する展開となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく格好となっています。ただ、まだ縮小の余地が大きいため、しばらくはレンジ圏での動きが意識されやすいところだといえます。バンドの中心線を意識しての動きが継続する可能性が高そうです。