EA-BANK モーニングレポート
大幅利上げも、NYダウ買い戻い優勢で303ドル高(6.15 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が持ち直し基調となって引けました。FOMCにおいて75bpの利上げが決定され、7月にも75bpの利上げの可能性が示唆される状況となりましたが、今回の利上げに関しては織り込み済みとの見方から、ここまでの下落に対する調整の買い戻しが強まり上値を拡大しました。ダウは一時640ドル高水準まで上昇し、引けにかけてやや抑えられたものの300ドル高水準での引けとなりました。また、NASDAQなども大きく上昇しての引けとなっています。
米国債市場では、利回りが大幅下落。FOMCにおいて75bpの利上げが決定されましたが、一部ではインフレ抑制のためにさらに大規模な利上げが必要になるといった懸念も出たため、債券に対する買い戻しの動きが意識されました。パウエルFRB議長は今回の利上げに関して『異例の大きさであり、これが通常の対応になることは無いだろう』と述べており、それもリスク回避的な動きに対する修正の動きを意識させました。米国債利回りは短期債を中心に下げ幅を拡大しており、10年債利回りは3.28%台で、30年債利回りは3.32%台でそれぞれ推移しています。
為替相場 – FOMCを経て、ドル/円急落
為替相場では、ドルインデックスが下落。FOMCを挟んで前営業日終値を挟んでの動きが展開されましたが、その後は米国債利回りの大幅低下や米株の上昇を受けた安全資産としてのドル買いが修正されたことなどを背景にドル買いに対する調整の動きが強まりました。ユーロ/ドルは一時1.04ドルを割り込みましたが持ち直し、1.04ドル台半ばでの推移となっています。また、ポンド/ドルも1.21ドル台後半にまで上昇しており、200bp近い上昇となりました。
円は全体的にはまちまちでの推移。ドルインデックスの下落を背景にドル/円が上値を抑えられる一方、ポンド/円などは底堅い動きが展開されており、方向感の見えにくい状況となっています。クロス円はユーロ/円が下落したものの、米株高などを背景に全体的には円が売られやすい地合いとなっています。ドル/円は135円台での推移から一時133円台中盤まで下落するなど、円買い圧力が強まりました。
ドル/円・ボリンジャーバンド –小幅に持ち直し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線を挟んで乱高下する展開となり、一時バンドの上限まで上昇。しかし、上限で抑えられて下落、一気に下値を拡大する展開となり、バンドの下限をブレイクしてバンドウォークとなりました。しかし、バンドの下限からの乖離が大きくなったことで調整の動きが入っています。このまま上昇基調を継続してバンドの中心線まで上昇することができるかに注目です。
現状、バンドの上限が上昇基調、下限が下落基調となっています。バンド幅の拡大を伴いながらのバンドウォークであり、ここからさらに下値を拡大する可能性もあるでしょう。ただ、バンドの上限の上昇の勢いが落ちていることやバンド幅がかなり拡大したことなどを背景に、バンドウォークの継続の可能性は低くなっていくといえます。上値は重いものの、一時的には調整の動きが入る局面だといえます。