EA-BANK モーニングレポート
インフレへの警戒強まり、NYダウ600超の下落(6.10 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が大幅続落となって引けました。ECBが量的緩和政策を終了し、7月に25bpの利上げを行う方針を示したことでリスク回避的な動きが強まる展開となっています。ECBは9月に50bpの利上げを行う可能性も示唆しており、警戒感の強まる局面となっています。ダウは630ドル安水準まで下落しており、下げ幅を拡大しての引けとなりました。
米国債市場では、利回りがまちまちでの推移。短期債利回りや10年債利回りは欧米の金融引き締めに対する思惑から債券売りが意識されたことで上昇していますが、30年債利回りは調整の動きが意識されて小幅に下落しています。米消費者物価指数を控えての調整の動きも意識されました。短期債売りの流れが強まっており、長短金利差は縮小しています。米10年債利回りは3.04%台、30年債利回りは3.16%台でそれぞれ推移しています。
為替相場 – ドルインデックス上昇基調強め、ドル/円買い優勢
為替相場では、ドルインデックスが上昇基調を強める展開となっています。米国の金融引き締めに対する思惑からドルに対する買いの流れが維持されています。欧州の利上げに対する思惑からユーロ/ドルが一時上昇する場面もありましたが、米短期債利回りの上昇などを背景にドルに対する買い戻しの動きが強まり、1.06ドル台前半での推移となっています。ポンド/ドルも売り優勢の流れとなっており、1.25ドルを割り込む動きが展開されています。
円は全体的には買われやすい地合い。ドル/円は欧州時間帯に下げ幅を拡大する場面がありましたが、売り一巡後はドルインデックスの上昇などを背景に買い戻され、134円台半ばと前営業日終値を突破する水準まで持ち直しています。しかし、クロス円はリスク回避的な動きの強まりなどを背景に上値を抑えられる展開となっており、ECBの動きを意識して一時持ち直したユーロ/円も結局1円以上の下落となっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 堅調地合い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限を意識してのバンドウォークから持ち直し基調となり、一時バンドの中心線を挟んでの動きとなりましたが、そこから上昇してバンドの上限をブレイクする動きとなっています。ただ、バンドウォークとはならずに調整売り圧力が強まる展開となる中、下値も堅く再度じり高基調となって持ち直す動きとなっています。このままバンドの上限まで上昇できるかどうかに注目です。
現状、バンドの上限が上昇基調からじり安基調に転じる動き、下限が上昇基調を強める動きとなっています。バンド幅は縮小傾向となっており、市場にはエネルギーが蓄積される局面となっています。ただ、まだ縮小の余地があるため、バンドブレイクからバンドウォークといった大きな動きにはなりにくいところです。バンドの上限と中心線で挟まれたレンジで動く可能性が高い局面だといえます。