EA-BANK モーニングレポート
中国経済持ち直しへの期待も、米株下落(5.31 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落しての引けとなりました。朝方はここまでの上昇に対する調整の動きが意識される中でダウが一時460ドル安水準となるなど下値を拡大する展開となりました。しかし、売り一巡後は中国経済の持ち直しなどに対する期待感から買い戻され、一時プラス圏に浮上する場面もありました。しかし、インフレに対する警戒感などが意識される中で上値を押さえられ、結局220ドル安水準での引けとなりました。NASDAQなども下落しての引けとなるなどリスク回避的な動きが意識されました。
米国債市場では、利回りが大幅上昇。10年債利回りは10bpを超える上昇となるなど、債券に対する売り圧力が強まりました。欧米でのインフレ懸念が強まる中で金融政策に対する思惑から債券利回りは上値を拡大しています。米10年債利回りは2.84%台、30年債利回りは3%台を回復して3.04%台でそれぞれ推移しています。
為替相場 – 円安再燃、ドル/円も1円超の上昇
為替相場では、ドルインデックスが小幅に上昇。大きな動きにはなっていませんが、米国債利回りの大幅上昇などを眺めてドルに対する買いの流れが意識されています。ユーロ/ドルやポンド/ドルなどは上昇に対する調整の動きも意識されており、上値を押さえられました。ユーロ/ドルは1.07ドル台前半から中盤、ポンド/ドルは1.26ドル台前半での推移となっています。
円は軟調地合い。特にドルインデックスの上昇を背景にドル/円が1円超の大幅上昇となっています。また、クロス円もドル/円につれ高となっており、底堅い動きが展開されています。ドル/円は128円台の後半で、ユーロ/円は138円台を回復しての動きとなっています。ポンド/円も162円台を回復するなど上値を拡大しました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 堅調地合い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をバンドウォークする展開から調整の動きが入ったものの、バンドの中心線までは届かずに持ち直す動きとなっています。ただ、上昇の勢いは強まっておらず、バンドの+1σを意識しての動きが展開されています。やや方向感の見えにくい流れとなっており、様子見ムードが強まる可能性はありそうです。
現状、バンドの上限が下落基調を強め、下限が上昇基調を強めています。バンド幅は縮小傾向となっており、市場にはエネルギーが蓄積されてきています。まだ縮小の余地があり、さらにバンドの中心線を意識しての動きとなっていきそうなところを考えると、すぐにバンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところかと思われますが、後々バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要といった展開になりそうです。