EA-BANK モーニングレポート
乱高下のダウ、650ドル安水準に(5.9 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が大幅続落となって引けています。インフレに対する根強い警戒感や中国経済の先行きに対する不透明感などを背景にリスク回避的な動きが強まる展開となっています。また、ウクライナ情勢に改善の兆しが見えず、ロシア経済が1994年以来の大幅なマイナス成長となる可能性が高いとの見方がロシア財務相の内部予測で示されるといった報道なども警戒感を強める一因となっています。ダウは日中安値圏での引けとなり、下げ幅は650ドル水準となりました。
米国債市場では、利回りが大幅低下。特に短期債利回りに対する調整の動きが意識され、10bpを超える下げ幅となっています。世界経済の先行きに対する警戒感が強まる中で安全資産としての米国債に対する買い意欲が強まり、利回りが大幅低下となっています。米10年債利回りは3.03%台、30年債利回りは3.15%台でそれぞれ推移しています。
為替相場 – 調整の動き長引くも、円安一服か
為替相場では、ドルインデックスが堅調地合い。米国債利回りは大幅低下となっていますが、全体的には調整の動きが意識される中で方向感の見えにくい展開となっています。前営業日終値を挟んでの動きであり、様子見ムードが強まっています。プーチン大統領が戦争を宣言しなかったことなどを受けてユーロなどが買われ、ユーロ/ドルが1.05ドル台半ばでの推移となる一方、オセアニア通貨などは調整の動きから上値を抑えられる展開となっています。
円はまちまちでの推移。ドル/円が一時131円台を回復するなど円安基調となりましたが、米国債利回りの大幅低下などを背景にドルインデックスが上値を抑えられたことでドル/円の上値も抑えられました。ドル/円は130円台前半から中盤での推移となっています。ユーロ/円も一時138円を突破する動きとなりましたが、そこからは抑えられています。また、豪ドル/円は91円を割り込み90円台半ばまで下落する展開となりました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 小幅持ち直し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、下限をブレイクしてバンドウォークする展開となりましたが、目先は売り一巡から持ち直し基調です。ただ、上値の重い展開となっており、戻りの弱さが嫌気される展開となっており、再度売り圧力が強まる可能性が高まっています。売りの流れが強まった場合、大陰線となることも視野に入れる必要があるでしょう。目先はバンドの中心線を目指しての動きですが上値は重そうです。
現状、バンドの上限が下落基調を強め、下限が上昇へと転じる動きとなっています。バンド幅が縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく状況となっています。ただ、まだ縮小の余地が大きいため、大きな動きにはなりにくいところです。目先はバンドの中心線と下限とで挟まれたレンジを動く可能性が高い局面となっています。