EA-BANK モーニングレポート
地政学的リスクの高まりを背景に、ダウが500ドル安(2.11 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が大幅続落となって引けています。ダウは朝方は買い戻しの動きが意識されて持ち直し、一時180ドル高水準まで上昇する展開となりました。しかし、ロシアがウクライナ侵攻を決定したといった報道が流れ、地政学的リスクの高まりを背景にリスク回避的な動きが強まり、一時620ドル安水準まで下落しました。引けでは若干押し戻したものの、500ドル安水準での引けとなっています。北京五輪中にも侵攻の可能性との報道が警戒されており、下げ幅を拡大しました。
米国債市場では利回りが大幅下落となって引けています。地政学的リスクの高まりを背景に安全資産への買いの流れが強まり、米国債利回りは下げ幅を拡大する展開となりました。米10年債利回りは2.00%を大きく割り込み、1.93%台での引けとなっています。また、30年債利回りも大幅下落となり、2.30%を割り込み2.23%台にまで下げ幅を拡大する展開となりました。短期債利回りも大きく下落しての引けとなっています。
為替相場 – リスク回避による巻き戻しで、円独歩高
為替相場では、ドルインデックスが上昇しての引けとなっています。米国債利回りは低下したものの、安全資産としてのドルに対する買い意欲が強まり、ドルインデックスは96を回復しての引けとなっています。米国のインフレに対する警戒感も強まる中でドルは上値を拡大しやすい状況となっています。特に対ユーロでのドル買いが意識され、ユーロ/ドルは1.13%台半ばまで下落する展開となりました。
一方、円は買われやすい地合いとなっています。リスク回避的な動きが強まる中で円に対する買い意欲が強まり、対主要通貨で独歩高となって推移しています。ドル/円は115円台半ば、ユーロ/円は1円以上の下落となって、131円を割り込んでの引けとなっています。また、その他のクロス円も大きく下落しての流れとなりました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 持ち直し基調も上値重い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクして下値を拡大する展開となりました。一時115円割れ寸前まで押し込まれましたが、目先は売り一巡後から調整の買い戻しの動きが意識されています。本日月曜日の朝方には再度売り圧力の強まりを見せています。
現状、バンドの上限が上昇基調から下落に転じており、バンドの上下限中心線が下落する動きとなっています。トレンドそのものは下向きですが、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところとなっており、一時的には調整の買い戻しが入りやすいところです。ただ、戻り一巡後は再度売り圧力が強まりやすいところであり、売り圧力が強まった場合は再度バンドの下限まで下落する動きが展開されやすい地合いとなっています。