EA-BANK モーニングレポート
ダウが史上最高値を更新(10.22 NY時間)
先週末のNY市場では、米株がまちまちでの引け。ダウは中国恒大集団が米ドル建て社債の利払いを実施したとの報道や米企業決算に対する期待感などから買いの流れが強まり、史上最高値を更新する展開となりました。一方でNASDAQなどは大きく下落する展開となっています。調整の動きなどが意識される中で上値を抑えられました。パウエルFRB議長がインフレリスクに言及したものの、早期の利上げに関しては否定的な見方を示したことでダウは底堅い動きが意識されました。
また、米国債市場では利回りが低下。特に10年債や30年債などの長期債利回りは大きく下落、10年債利回りは1.63%台にまで急落しています。パウエルFRB議長の早期利上げに関する否定的な発言を眺めて債券に対する買い戻しの動きが強まっています。ここまでの利回り上昇に対する調整の動きも意識されていますが、全体的には年内テーパリングなどに対する思惑から債券利回りは上昇しやすい地合いとなっています。
為替相場 – 調整の動きにより、円高ドル安
為替相場では、ドルインデックスが下落。米国債利回りが長期債を中心に大幅に低下したことなどを背景に、ドルに対する売り圧力が強まる展開となっています。ただ、EUと英国の対立が続けば離脱通商協定の解除を検討などといった報道やコロナウィルスの感染拡大などを警戒し、ポンドに対する売り圧力が強まったことで、ドルは下値を支えられて積極的に売り込む流れにはなりませんでした。全体的には大きな動きにはなっておらず、様子見ムードが強まる状況となりました。
一方、円は堅調地合い。米株はまちまちでの引けとなりましたが、ドル売りの流れが強まったことでドル/円が113円台半ばまで下落する展開となり、クロス円も上値の重い展開となりました。ここまでの円安に対する調整の動きが意識されており、ポンド/円は156円台前半まで下落する流れとなりました。また、豪ドル/円も上値を抑えられて85円台を割り込んでの引けとなっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 売りの流れ一服から買い戻し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限と中心線で挟まれたレンジを動いていましたが、月曜朝方に持ち直してバンドの中心線を意識しての動きとなっています。直前でも下げ渋る動きを見せていたことから買い戻しの動きも意識されるところでしたが、目先はバンドの中心線を抜ける動きであり、このままバンドの上限を目指しての動きとなるかどうかに注目です。
現状バンドの上限が下落、下限が下落から上昇に転じています。バンド幅が縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されていくものと思われます。ただ、目先はまだバンドの中心線を意識しての動きであり、バンド幅も縮小の余地が十分に残っていることから、大きな動きにはなりにくく、レンジ圏での動きが意識されるのではないかとみています。