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EA-BANK・モーニングレポート 7.16
米経済指標はまだら模様(7.15 NY時間)
昨日のNY市場は、米株がまちまちでの引け。米経済指標で新規失業保険申請件数がパンデミックにより経済が封鎖された昨年3月以来の最小となったものの、市場予想を上回っています。また、NY地区連銀製造業景況指数が予想を上回る一方、フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想以上に減少となっています。全体的に指標はまちまちとなる中でポジション調整の売り圧力が強まる展開となりました。しかし、パウエルFRB議長がテーパリング開始の条件達成にはほど遠いといった発言をしたことなどを背景にリスク回避的な動きが巻き戻され、ダウがプラス圏に浮上しての引けとなりました。
一方、米国債市場は長期債利回りが大幅下落。パウエルFRB議長の発言などを受けて早期の金融引き締めに対する警戒感がさらに後退し、債券に対する買い戻しの動きが強まる展開となっています。米10年債利回りは1.30%を割り込む動きとなるなど、債券に対する買い意欲が強まっています。ただ、2年債利回りなどは上昇しており、ダウの持ち直しなどを眺めて短期債に売り圧力が強まる展開となっています。
為替相場 – リスク回避の動きが強まり、円堅調
為替相場は、ドルインデックスが上昇。米国債利回りが長期債を中心に下落する中で下値の堅い展開となっています。ユーロやポンドに対する売りの流れが意識される中でドルの下値が支えられる展開となっています。ポンドは英中銀が金融緩和縮小巡る議論が活発化しているとの報道を受けて一時買い戻しの動きが強まりましたが、ポンド買い一巡後はドル買い圧力が強まり、ポンド/ドルは1.38ドル台前半にまで下値を拡大する展開となっています。
一方、円は堅調地合い。ダウは持ち直したものの、市場全体にはリスク回避的な動きが強まっており、円に対する買い圧力が強まる状況です。ユーロ/円は130円台を割り込むなど、下値を拡大する展開となっています。また、スイスフラン/円なども120円を割りこむ動きを見せており、主要通貨に対して円高の流れが強まりました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 下値拡大
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から調整の動きが入り、一時中心線で支えられて持ち直したものの、バンドの上限には届かずに下落する流れとなっています。バンドの中心線を抜けてバンドの下限を目指す動きとなっており、警戒感が高まる状況です。
現状バンド幅が拡大基調となっており、ここからバンドブレイクした場合はバンドウォークとなる可能性はあるでしょう。ただ、現状ではまだバンドの下限に到達していない点や、バンド幅が現状でかなり拡大しており、市場にはエネルギーがそこまで蓄積されていないものと思われる点が懸念されるところであり、一時的に持ち直す可能性は十分にあるでしょう。バンドの上限の方向感などを見極めながらの対応となりそうですが、バンドの下限で一時的に支えられる可能性のほうが高いのではないかとみています。