EAのバックテストレポートの見方・その5~リカバリーファクター~

リカバリーファクターとは?

リカバリーファクター(RF)とは、リスクにに対してどの程度のリターンが期待できるかを示す指標で、リスクリターン率とも呼ばれます。

計算式は以下のようになっています。

リカバリーファクター(RF)=純利益 ÷ 最大ドローダウン

例えば、純利益が100万円、最大ドローダウンが50万円のEAのリカバリーファクターは

リカバリーファクター(RF)=100万円 ÷ 50万円 = 2.0

となります。また、純利益が100万円、最大ドローダウンが200万円のEAのリカバリーファクターは

リカバリーファクター(RF)=100万円 ÷ 200万円 = 0.5

となります。

これらのことから、リカバリーファクターの数値が大きくなるほど、最大ドローダウンに対する純利益が大きくなっていることがわかります。

 

リカバリーファクターを比べてみる

それでは、リカバリーファクターを比較することで、リカバリーファクターとはどういった特徴があるかを見てみましょう。ここでは3つのEAのリカバリーファクターを比較してみます。

A:
 総利益        : 300万円
 最大ドローダウン   : 100万円
 リカバリーファクター : 3.0(300万円÷100万円)

B:
 総利益        : 50万円
 最大ドローダウン   : 10万円
 リカバリーファクター : 5.0(50万円÷10万円)

C:
 総利益        : 10万円
 最大ドローダウン   :   1万円
 リカバリーファクター : 10.0(10万円÷1万円)

これら3つのシステムの中でいちばん利益を出しているのはAで、300万円の利益を上げています。逆にいちばん利益が出ていないのはCで、10万円の利益しかありません。

それでは、この3つのEAの最大ドローダウン額を100万円に合わせて、再度比較をしてみましょう。

A:
 総利益        : 300万円(変更なし)
 最大ドローダウン   : 100万円
 リカバリーファクター : 3.0

B:
 総利益        : 500万円(50万円×(100万円÷10万円))
 最大ドローダウン   : 100万円
 リカバリーファクター : 5.0

C:
 総利益        : 1000万円(10万円×(100万円÷1万円))
 最大ドローダウン   :   100万円
 リカバリーファクター : 10.0

最大ドローダウン額を100万円に揃えて3つのEAを比較してみると、Cが一番利益を得ていることがわかります。

このことから、リカバリーファクターの数値が高くなるほど、損失(リスク)に対する利益(リターン)が大きくなることがわかります

 

まとめ

リカバリーファクターの数値を見ることで、損失(リスク)に対してどれくらいの利益(リターン)が見込めるポテンシャルを持つEAなのかを判断することができます。

また、リカバリーファクターの数字は高くなるほど、損益グラフのデコボコが少なくなり、なだらかな損益曲線を描く傾向にあります。

リカバリーファクターはEAを選ぶ上での重要な指標です。ぜひ、EAを選ばれる際にご確認いただき、EAの特徴を把握された上で稼働するようにしてみてはいかがでしょうか。

 

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