EA-BANK・モーニングレポート 3.10
OECDが2021年世界経済の成長見通しを引き上げ(3.9 NY時間)
昨日のNY市場は、米株が上昇しての推移。OECDが2021年世界経済の成長見通しを引き上げたことなどが好感され、リスク志向の動きが強まっています。さらに米国債利回りが下落したことを受けてNASDAQに対する買い戻しの動きが強まっています。ダウは一時340ドル高水準となるなど、上値を拡大する展開で32000ドルを突破しての推移です。NASDAQも13000を突破するなど、市場には楽観的なムードが強まっています。
一方、米国債利回りは長期債利回りを中心に大幅に低下しています。ここまでの上昇に対する調整の動きや、米3年債入札が好調となったことなどを受けて債券に対する買い戻しの動きが強まっています。直近の7年債入札が歴史的不調となった事から警戒感が強まっていた米国債市場ですが、今回の入札により若干落ち着きを取り戻す局面となっています。
為替相場 – ドル軟調
為替相場は、ドルが下落しての推移。米国債利回りが長期債を中心に大きく低下する中で、ドルに対する売りの流れが強まる状況となっています。ユーロ/ドルは1.19ドル台を回復する動きであり、ポンド/ドルも1.39ドルを突破しています。ここまでのドルの上昇に対する調整の動きが意識されており、全体的にドル売り圧力が強まっています。
一方、円はまちまち。ドル/円はドルの軟調を眺めて下落していますが、クロス円は全体的に上昇しての推移です。米株の大幅上昇を受けてリスク志向の動きが意識され、円に対する売り圧力が意識される展開となっています。ドル/円の下落を受けてクロス円の上値が重くなる場面もありますが、基本的には底堅い動きが展開されています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 下値拡大
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限と中心線で挟まれたレンジを動いており、下値を拡大しやすい流れとなっています。バンドの下限をブレイクしてのバンドウォークといった動きにはなっていませんが、一時的に持ち直しても中心線で抑えられて下げ幅を拡大といった展開となっています。目先はバンドの下限で支えられる動きですが、上値は重く再度バンドの下限まで下落する可能性が高いのではないかといえます。
またバンドの上限が横ばいでの動きからじり安へと転じており、バンドの上下限中心線が下落する動きとなっています。バンドブレイクからバンドウォークといった大きな動きにはなりにくいものの、トレンドそのものが下向きであり、一時的に押し戻しても戻り売りに上値を抑えられそうです。