EA-BANK・モーニングレポート 3.23
米国債市場に調整の動き(3.22 NY時間)
昨日のNY市場は、米株が上昇しての引け。バイデン政権が3兆ドル規模のインフラ投資計画を検討などといった報道が意識され、リスク志向の動きが展開されています。ただ、これに関してはホワイトハウスが時期尚早と打ち消す発表をしています。一方、米国の長期金利の上昇が一服し、ハイテク株を中心に買いの動きが強まり、NASDAQを押し上げました。
一方、米国債利回りは低下。ここまでの上昇に対する調整の動きが意識されています。米10年債利回りは1.7%を割り込んでの推移となっています。ただ、今週は長期債利回りの上昇のきっかけとなった米7年債入札を控えており、予断を許さない局面となっています。ポジション調整から様子見ムードが強まる状況ですが、入札結果次第では再度長期債利回りが大きく上昇する可能性もあるだけに注意が必要でしょう。
為替相場 – やや方向感の見えにくい流れ
為替相場は、ドルが上値を抑えられての動き。東京時間帯は堅調地合いとなりましたが、米国債利回りが下げ幅を拡大するとドルに対する売り圧力が強まり、ドルインデックスは92を割り込んで推移しています。米国経済の先行きに対する不透明感は根強く、FRBはハト派的な金融政策を維持する意向を示しており、ドルの上値が抑えられやすい状況となっています。
一方、円は小幅まちまちでの推移となっています。ドル/円の上値がおさえられる中、クロス円もやや軟調地合いとなっています。ただ、米株の堅調地合いを眺めてユーロ/円などが小幅に上昇しており、全体的には大きな動きにはなっていません。様子見ムードが強まる状況であり、方向感の見えにくい流れの中でドル/円は108円台後半を、ユーロ/円は129円台後半を推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – レンジ圏での推移
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と下限で挟まれたレンジを動いており、方向感は見えにくいところです。目先は持ち直し基調となっていますが、まだバンドの上限にも届いておらず、積極的に上値を拡大するといった動きにはなっていません。バンドの中心線を意識しての動きが継続しそうです。
またバンドの上限が横ばいからじり安となり、下限が上昇基調を強めています。バンド幅は縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されていきそうです。バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要ですが、今のところはまだバンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくい形といえそうです。