EA-BANK・モーニングレポート 3.12
労働市場の先行きに楽観的な見方が広がる(3.11 NY時間)
昨日のNY市場は、米株が上昇しての推移。米国の新規失業保険申請件数やJOLT労働調査などが市場予想よりも良かったことなどを背景に、リスク志向の動きが維持される展開となっています。米国の追加経済対策に対する期待感も依然として根強く、米株の下値を支える展開となっています。ダウは一時360ドル高水準まで上昇するなど上値を拡大しています。そこからは調整の動きも見られていますが、堅調地合いは維持されています。
一方、米国債利回りはまちまち。長期債利回りに対する上昇の流れが意識されています。特に30年入札がさえない結果となったことから債券に対する売り圧力が強まり、30年債利回りが大きく上昇する展開となっています。米株の上昇も債券売りに拍車をかける展開となっていますが、2年債などの短期債利回りは下落しての推移です。
為替相場 – ユーロに対する買いを受けてドルの上値重い
為替相場は、ドルが下落しての推移。ECBが声明で『リスクは均衡しているとの見方で一致』といった報道が流れたことでユーロに対する買い戻しの動きが強まり、ドルの上値を抑えています。さらにリスク志向の動きが強まる中で安全資産としてのドルに対する売りが強まる状況となっています。また、米国の短期債利回りの低下なども警戒される局面ということができそうです。
一方、円は軟調。欧米株の上昇を受けたリスク志向の動きの強まりを背景に円に対する売り圧力が強まっています。ドル/円も下値の堅い動きとなり、クロス円は上値を拡大する展開となっています。ユーロ/円は130円を回復しての動きであり、その他のクロス円も軒並み上昇しています。原油価格の上昇などを受けて資源国通貨も上昇基調を強める展開となっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 方向感見えにくい
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限と中心線で挟まれたレンジで動いており、やや上値の重さが意識され大きな動きとはなっていない状況です。目先は様子見ムードとなり、レンジ圏での動きが維持されそうです。
またバンドの上下限中心線がほぼ横ばいとなっており、方向感の見えにくい状況となっています。現状は-1σを挟んでの動きとなっているだけに、ここからバンドの中心線、下限のどちらへ動いていくかに注目です。バンド幅は比較的狭いので、市場にはエネルギーが蓄積されてきている状況です。動き出したら大きくなる可能性はありますが、現状ではまだ方向感の見えにくいところであり、様子見ムードが意識されそうです。