EA-BANK・モーニングレポート 5.4
ダウが堅調地合い(5.3 NY時間)
昨日のNY市場は、米株がまちまちでの引けとなっています。米ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったことで警戒感が強まりましたが、クオモNY州知事が5月19日から主要な経済活動を再開と発言したことなどを受け、米経済の先行きに対する楽観的な見方が強まる展開となっています。ホワイトハウスがファイザー製ワクチンの輸出開始を支持したことなども好感されており、ダウは34000ドルを回復しての引けとなりました。ただ、NASDAQはマイナス圏での引けとなっています。
一方、米国債利回りは10年債利回りなどが下落する一方、2年債利回りなどが上昇する動きとなっています。一時ISM製造業景況指数の発表を受けて債券に対する買い意欲が強まり、10年債利回りは1.6%を割り込む動きを見せましたが、ダウが上昇基調を強めたことで債券売りの流れが強まりました。しかし、その後パウエルFRB議長やウィリアムズNY地区連銀総裁の発言を受け、金融引き締めに対する思惑が後退し、債券に対する買い戻しの動きが強まる展開となっています。現状米10年債利回りは1.6%を挟んでの動きとなっています。
為替相場 – ドル売り圧力強まる
為替相場は、ドルが軟調地合いとなっています。ポンドに対する買い戻しの動きが強まっていることや、米長期債利回りが低下していることなどを背景に、ドルに対する売り圧力が強まる展開となっています。米国の金融政策の先行きに対する思惑から、ドルの先安観が強まっており、ドルインデックスは91を割り込んでの推移となっています。
一方、円は全体的には軟調地合いで推移しています。ドルインデックスの低下を眺めてドル/円はやや上値の重さが意識されていますが、ダウの上昇などを受けてリスク志向の動きが強まり、クロス円は底堅い動きが展開されています。ドル/円も一時109円を割り込む動きを見せましたが、NY時間帯では109円台を回復するなど底堅い動きを見せており、円売りの流れが意識されました。
ドル円・ボリンジャーバンド – 持ち直し基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、下限をバンドブレイクからバンドウォークとなって下値を拡大しましたが、目先は売り一巡から買い戻しの動きとなっています。一時109円を割り込む動きを見せましたが、目先は押し戻してバンドの中心線を目指しての動きです。ただ、上昇の勢いは落ちており、バンドの中心線で抑えられる可能性が高まっている状況といえそうです。
現状バンドの上限が下落し、バンドの下限が上昇に転じる動きです。バンド幅は縮小傾向であり、市場には徐々にエネルギーが蓄積されていくものと思われます。ただ、バンドの中心線を意識しての動きであり、まだバンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところです。流れとしてはバンドの中心線で抑えられてバンドの下限を目指して下落するといった展開となるのではないかとみています。