EA-BANK・モーニングレポート 5.10
米雇用統計を受けて(5.7 NY時間)
先週末のNY市場は、米株が大きく上昇して引けています。米雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想に届かず、失業率が市場予想より悪化する展開となったことで一時リスク回避的な動きが見られましたが、労働市場の改善の遅れがFRBのテーパリングに対する期待の後退を意識させ、株式市場に買いの流れが強まる展開となっています。ダウは220ドル高水準となり、NASDAQなども買い圧力が強まりました。
一方、米国債利回りはまちまちとなって引けています。米雇用統計を受けて債券に対する買い意欲が強まり、米10年債利回りは一時1.46%台にまで急落する展開となりました。しかし、その後米株が持ち直して上値を拡大する動きを見せる中で債券に対する売りの流れが強まり、長期債利回りを中心にプラス圏に浮上しました。ただ、10年債利回りはプラス圏に浮上した後は伸び悩み、小幅上昇での引けとなりました。
為替相場 – ドル続落
為替相場は、ドルインデックスが下落しての引けとなりました。米雇用統計が市場予想に届かなかったことで足元の経済回復に対する警戒感が意識されたことでドルに対するドル売り圧力強まる展開となりました。米国債利回りが持ち直した後も売りの流れが維持されて下値を拡大しての引けとなりました。
一方、円はまちまちでの引けとなりました。ドルインデックスの大幅下落を背景にドル/円は109円台を割り込み、そのまま下値を拡大する展開となっています。一方、クロス円は米株の上昇基調を受けて円安基調を強め、上値を拡大する展開となっています。ユーロ/円は132円台を回復しての動きであり、ポンド/円も一時152円を突破しての動きが展開されました。円がマイナス圏での推移となっています。また、BOEが明確な景気回復の証拠がなければ引き締めを行わないと発表したことなどを受けてポンドに対する売りが意識され、ポンド円もマイナス圏での推移となっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 様子見ムードへ円・ボリンジャーバンド – 下落基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、雇用統計を受けて一気にバンドの下限をブレイクし、そこから乖離が大きくなったことでその修正が入ったもののバンドの下限をバンドウォークする展開となりました。そこからの反転しての調整はバンドの中心線には届かず、上値を抑えられる展開となりましたが、今日の東京時間に入りバンドの中心線を上抜ける動きが見られており、目先はバンドの中心線を挟んでの動きが展開されています。円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、中心線に上値を抑えられて下値を拡大する流れとなっています。バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなっていませんが、調整を入れながら下値を拡大する動きとなっています。目先はバンドの下限から小幅持ち直しが意識されていますが、上値は重く再度下値を拡大する可能性がありそうです。
現状はバンド幅が縮小傾向を維持しています。急激な縮小がみられましたが、目先はバンドの上限がじり安、下限がじり高となっています。ここからはバンドの上下限中心線が横ばいとなっていく可能性が高く、レンジ圏での動きが意識されそうです。バンド幅は比較的狭くなっているので、市場にはエネルギーが蓄積されてきており、バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要となりそうです。