ランドペア為替見通し
南アフリカ共和国では、汚職問題などがあったズマ大統領が2月14日に退任しました。後任には、ANC議長(党首)で副大統領を務めてきたラマポーザ氏が国会で大統領に選任されました。ラマポーザ氏は、汚職との戦いや改革を訴えており、今回の大統領交代が内外投資家の心理や国民や企業の景況感の改善に向かうとの見方もあります。
ランドペアの不安要素
大統領が変わることで、汚職問題などが解決し、国民や企業の景況感が良くなることで、南アフリカの景気が良くなれば、ランドも上昇していくかもしれません。しかし、大統領の交代によって、政治が不安定になることがあれば、ランドペアの不安要素になります。南アフリカランドは金の採掘量が世界一ですが、金の価格は株高などもあり、それほど高い価格にはなっていません。金の価格が上がることで、南アフリカの輸出額は増えますので、GDPも増加すると思われますが、そこまでは至っていない様子です。まずは、南アフリカの大統領が誰になるのか、どのように改革が進むのかを観察していく必要がありそうです。ラマポーザ氏が大統領になって、汚職問題が解決することなれば、南アフリカにとっても喜ばしいことですので、景気なども安定するかもしれません。政局が安定せずにいることで、投資家の不安なども高まる可能性もありますので、新政権がきちんと機能するのかを見ていく必要があります。ラマポーザ氏の改革がうまくいくかにかかっていると感じます。
今後の為替見通し
証券会社の予想によると、南アフリカ共和国は3月と5月に利下げを行うのではないかとの予測があります。利下げが行われたとすると、金利差の縮小により、円キャリーのポジションが縮小される可能性もあり、ランドが下落することもあるかもしれません。ただ、政権交代による期待が大きく、ランドには追い風となっていますので、ランドは上昇していく可能性もあります。南アフリカランドのレンジは8.9~10.7円となっています。南アフリカランドは2016年頃から上昇傾向にあります。南アフリカ共和国では、財政赤字の縮小のために、付加価値税を1%引き上げることしまして、230憶ランドの税収収入を計上し、三年間では、857憶ランドの削減としました。この発表を受けて、ランドは高くなりました。しかし、税金をあげることで消費を冷やすのではないかという見方もあり、景気後退につながるとの意見があり、ランド買いは長くは続きませんでした。今後は内閣改造などもありますので、またその内容をみていくことになるでしょう。政権への期待の買いなども入っていますので、しばらくはランド高が続くものとみられています。新しい政権がどのような政策を展開していくのかをしっかり見ていく必要があります。ラマポーサ氏は実業家としても成功しているということで、経済政策にも注目が集まっています。アパルトヘイトの撤廃にも尽力した人物であり国民からの期待も高くなっています。3月4日にはイタリアの総選挙などもありますので、クロス円は円高に動いている傾向があります。南アフリカランドは世界の景気とも連動しており、世界の景気が良い時にはアフリカランドは上昇する傾向にあります。逆に世界の景気が悪くなると下落しますので、世界景気も合わせてみていくといいでしょう。今しばらくはランド高が続きそうな傾向となっていますので、参考にされてください。