バックテストは、EA(自動売買プログラム)が過去の相場でどのように動くかを確認する大切な工程です。
言わば、実取引のリスクを事前に“見える化”するシミュレーションですね。
特に初心者のうちは、「勝率が高い=稼げるEA」と思って選びがちですが、それだけを見て判断するのはNG。
勝率だけで選ぶと、思わぬ損失リスクを見逃してしまう可能性も…!
そこで今回は、MT5でバックテストを行う際に注意すべきポイントを整理しました。
MT5のバックテストで気をつけるべき5つのポイント
- 勝率だけでなく「リスクリワード比」も確認する
→ 少しの損失で大きな利益を狙えるかどうかが重要です。 - ドローダウン(最大損失)に要注意
→ 一時的に資金がどれだけ減るかを見落とすと危険です。 - テスト期間が短すぎるEAは信頼性が低い
→ 数週間ではなく、数年分のデータで検証しましょう。 - ティックデータの精度で結果がブレることもある
→ MT5では“実ティック”を使うことで精度が高まります。 - スプレッド設定がリアルとかけ離れていないか確認
→ 固定スプレッドだと実運用との乖離が出やすくなります。
この記事では、
- MT5のバックテストのやり方
- MT5のバックテストで見るべき指標
- MT5のバックテストの精度の高め方
について解説します。
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失敗を防ぐ第一歩。MT5のバックテストで“リスクの見える化”をしよう
- バックテストは、EA(自動売買プログラム)の過去相場での動きを再現し、性能を検証する機能である。
- 実際の取引を行う前に、リスクや期待収益を数値で把握できる。
- 相場データに基づき、戦略の強みと弱点を客観的に確認できる。
- 設定条件を変えながら複数パターンのシミュレーションが可能である。
- 結果をグラフやレポートで可視化し、最適なEA選定や改善に活用できる。
バックテストとは、EAの過去の相場データを使って、これから自分がする取引で EAがどんな動きをするかを検証する機能です。
テストを10回繰り返し、EAが安定して利益を積み重ねれば、実取引で損失を被る可能性は低いと言えます。
MT5のバックテスト機能を使えば、利益曲線やドローダウン率などの指標が自動的に算出されるため、実際の成績をもとに「どのEAが安定して利益を出せるか」「どの設定がリスクを抑えられるか」を判断できます。
「同じEAなのに結果が違う?」MT4とMT5で変わるバックテスト精度の真実
項目 | MT4 | MT5 |
テスト速度 | 単一スレッド処理で動作が遅い | マルチスレッド対応で高速処理が可能 |
データ精度 | 1分足から生成された近似ティックデータ | 実ティックデータを使用し、より正確 |
スプレッド設定 | 固定スプレッドのみ | 変動スプレッドに対応(実相場に近い) |
最適化機能 | 基本的なパラメータ比較のみ | 遺伝的アルゴリズムによる自動最適化が可能 |
実運用との再現性 | 実際の取引と乖離が出やすい | 実相場に近い結果を再現しやすい |
一見すると、MT5のバックテストはMT4よりも精度が高く、高性能のように思われがちです。実際、MT5はマルチスレッド処理や実ティックデータの使用など、テクノロジー面で優位な点が多くあります。
しかし重要なのは、MT4とMT5では使用できるEA(自動売買プログラム)が異なるという点です。MT4対応のEAはMT4でしか動かせず、同様にMT5専用のEAはMT5でしか動きません。
つまり、どちらが「優れているか」ではなく、「どのプラットフォームで、どのEAを最大限に活かせるか」が重要なのです。
EAごとに相性の良い環境が異なるため、MT4かMT5かを選ぶ際は、EAの設計や得意相場との相関も踏まえて判断する必要があります。
なぜなら「EA×MTの相性」と「自分の運用スタイル」のマッチングこそが、収益に直結する本質だからです。
バックテスト精度が収益を変える。MT4とMT5対応EAの実力差
得意な相場が同じで対応MTが異なる場合、バックテストの精度も大きく変わりますが、もっとも差が出やすいのがティックデータの精度です。
比較項目 | MT4対応EA(MQL4) | MT5対応EA(MQL5) | 結果の違い(例) |
ティックデータ精度 | 1分足から生成された近似データ | 実ティックデータを使用 | 約定タイミングが正確になり、成績の誤差が減少 |
スプレッド設定 | 固定スプレッドのみ対応 | 変動スプレッド対応 | 実相場に近い条件で検証でき、利益・損失の再現性が向上 |
約定再現性 | 一部の価格変動が省略される | すべての価格変化を反映 | スリッページの影響を正確に評価可能 |
最適化機能 | パラメータ手動調整が中心 | 自動最適化(遺伝的アルゴリズム)対応 | 利益率・ドローダウンがよりバランスよく調整可能 |
想定収益(例)※同条件下テスト | 年間+8% | 年間+10〜12% | 同一ロジックでもMT5のほうが収益性が高く出る傾向 |
ティックデータとは、相場で発生するすべての価格変動を時系列で記録したデータを指します。
それがMT4のバックテストでは、時間足の情報をもとにした近似データなのにMT5では実取引のデータが出力されます。時間足をもとにしたデータも元々は通貨の値動きに基づいたものなので大きく外れることはそうありません。
しかし、実取引のデータと比べれば「その精度は低い」と言わざるを得ません。
約定の再現性も同様です。MT4では値動きが小さな変動は正確に再現されないことがありますが、MT5のバックテストでは、すべての価格変動を再現できます。
このような精度の差が実取引の収益を左右します。バックテストは検証機能でしかないため、自動売買の利益を保証するものではありませんが、分析で相場の状況を見通せれば、損失リスクに対してそれを防ぐ対策が立てられるでしょう。
リスクをできる限り小さくするためにバックテストは有効な手法と言えるのです。
「勝てるEA運用」はデータの構造で決まる。バックテスト3ステップ
ステップ | 内容 | 目的 |
① ヒストリカルデータの取得 | 過去の相場データをMT5に読み込み、テスト対象の期間を設定する。 | EAが動作する市場環境を正確に再現する。 |
② EAによる自動検証 | 読み込んだデータ上でEAを稼働させ、過去の値動きに対して売買をシミュレーションする。 | EAの戦略がどのように反応し、利益や損失を生んだかを再現する。 |
③ 結果の評価と分析 | 損益曲線・勝率・ドローダウンなどをレポートで確認し、設定の妥当性を判断する。 | 実運用に向けてEAの強みと弱点を把握する。 |
(バックテストの進め方)
ヒストリカルデータとは、 EAの過去取引での挙動をまとめたデータです。バックテストはこれをダウンロードするところから始まります。
ヒストリカルデータの取得と活用!実取引に活かすには「一貫性」と「漏れないこと」が大切
手順 | 操作内容 | 補足説明 |
① | MT5を起動する | デスクトップ版のMT5を開きます。 |
② | 上部メニューから「ツール」→「ヒストリーセンター」を選択 | 英語版の場合は「Tools」→「History Center」。 |
③ | 通貨ペアを選ぶ | 例:EUR/USD、USD/JPYなど、テスト対象の通貨ペアを選択します。 |
④ | 時間足を指定する | EAが動作する時間足を選択(例:M5=5分足、H1=1時間足)。 |
⑤ | [ダウンロード]ボタンをクリック | MT5のサーバーから自動的にヒストリカルデータが取得されます。データ反映まで少し待ちましょう。 |
(ヒストリカルデータの取得手順)
ヒストリカルデータのダウンロードするときに大切なのは取得元を統一することです。異なるブローカーやサーバーのデータを混在させると、価格やスプレッドの差によって結果が変わってしまい、バックテストの結果も正しく表示されません。ヒストリカルデータは必ず普段ご自身が使っているサーバーから取得しましょう。
また、ヒストリカルデータを取得する際、意外と見落とされがちなのが「バックテストの期間と時間」です。
相場は常に変化しています。具体的には同じ EA・MTを使っても朝と昼ではトレード結果が異なります。早朝の3時〜6時に活発に動く相場で自動売買をするなら、その時間帯のヒストリカルデータが必要になります。
「午前中」「昼食後」のように大きな括りでヒストリカルデータをダウンロードしてバックテストをやっても、実取引に近いようや結果は得られません。
ヒストリカルデータの期間と時間は、自分がEAを取引をする時間帯に沿ってダウンロードしましょう。
「どの相場で戦うか」がすべてを決める。通貨ペアと期間設定で結果は変わる
【通貨ペア・期間選択の基準】
- テスト対象のEAが得意とする通貨ペアを選ぶ(例:ドル円・ユーロドルなど)
- ボラティリティが安定している期間を設定することで結果の再現性が高まる
- 世界的イベントや急変動を含む期間は除外して検証精度を保つ
- テスト期間は最低でも1年以上、理想は3〜5年分のデータを使用する
- 通貨ペアごとに時間足(M5・H1・D1など)を合わせ、戦略ロジックに沿った期間を選択する
バックテストの精度のカギを握るのが「テスト期間の選び方」です。テストには過去3〜5年分のデータを使うのがおすすめです。
テスト期間が短すぎると偶然の勝ち負けが結果に影響し、 EAの動きの傾向を間違えて捉えてしまう可能性があります。
しかし、それを避けるために8年・10年とヒストリカルデータの期間を長くすると、その間に相場の状況が変化しているため、そもそも比較が意味をなさなくなってしまいます。このため少なくとも「過去3年分」のデータをみると実取引中のEAの動きの傾向がみえてきます。
また、相場は常に変化しています。スプレッド設定を主要通貨ペアなら平均0.5〜1.0pips、変動の激しい時間帯は2.0〜3.0pips程度に広げるなど、実際の取引状況に合わせて調整することで、より現実的なテストが可能になります。
実取引に近い環境でバックテストを行えば、想定外のスプレッド拡大による損失リスクを事前に把握でき、本番運用での大きな損失を防ぎやすくなります。
最後は検証!確認すべき3つの指標
バックテストをやってEAの良し悪しを判断して行きますが、その指標にすべきはPF・ドローダウン・勝率です。
【PF・ドローダウン・勝率の目安】
- PFは利益効率を示す指標で、「総利益÷総損失」で算出する。
- PF1.5以上なら安定的に利益を出せるEAと判断できる。
- ドローダウンは資金の減少率で、20%以下が理想とされる。
- 勝率は全取引のうち利益を出した割合を示す。
- 勝率だけで判断しない。 PFやドローダウンも合わせて見ることでEAの実力を正しく評価できる。
PF(プロフィットファクター)とは、EAの利益効率を数値で示す指標です。具体的には、「総利益 ÷ 総損失」で算出され、1を超えると利益が損失を上回っていることを意味します。
PFが2.0なら、1円の損失に対して2円の利益を得ている状態です。一般的に、PFが1.5以上であれば安定的に利益を出せるEAと評価されます。
ドローダウンとは、運用中に資金がどれだけ減少したかを示す指標です。たとえば、資金が10万円から7万円に減った場合、ドローダウンは30%となります。
一般的にドローダウンは20%以下が理想とされ、これを超えると資金回復に時間がかかる傾向があります。
勝率は、実取引のうち利益を出した回数です。
たとえば、実取引を100回やったうち、70回利益を出したら、そのEAの勝率は70%となります。
「勝率が高いEAが安定して稼げる」と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。
1取引あたり10万円の利益を9回出したら、その合計は90万です。
ところが最後の1回で100万円の損失を出したら、最終収益は10万円の赤字になってしまいます。
勝率の高さ=安定性の高さではありません。
EAを評価するときにはFPやドローダウンも見ながら、実取引で使うかどうかを決めると大損を防げます。
PF・ドローダウン・勝率をバランスよくみるとは?実取引での評価基準
勝率が90%を記録していても、1回の損失がそれまで積み重ねた利益を上回ったら、そのEAは「稼げるEA」とは呼べないでしょう。
稼げるEAを見出すために必要なのは「何を見て、どう評価すれば損失を抑えられるか」という視点です。
指標名 | 理想値の目安 | 注意ライン | 判断ポイント | 解説 |
PF(プロフィットファクター) | 1.5〜2.5以上 | 1.2未満 | 1.5以上あれば安定して利益を出せる可能性が高い | 1を下回ると損失が上回る。2.0以上なら長期運用でも信頼度が高い。 |
勝率(トレード成功率) | 55〜75%程度 | 50%未満 or 90%超 | 勝率が高すぎるEAは損失時のリスクが大きい傾向 | 勝率だけで判断せず、損益バランスとの整合性を確認する。 |
最大ドローダウン | 15〜25%以内 | 30%超 | 20%前後なら資金効率と安全性のバランスが良い | 30%を超えると回復に時間がかかり、長期運用リスクが増す。 |
(FP・勝率・ドローダウンの目安)
PF(プロフィットファクター)は「どれだけ効率よく利益を上げられるか」を示す数値です。
一方、ドローダウンは「その利益を得るまでに、どれだけ資金が減るリスクを伴うか」を表します。PFが高くても、ドローダウンが大きいEAは「稼ぐ力はあるがリスクも高い」状態です。
逆に、PFがやや低くてもドローダウンが小さいEAは「効率は控えめでも安定して資金を守れる」タイプといえます。
この場合は、後者のEAを使ったほうが利益確保と損失管理を両立できます。3つの指標が理想値に収まる EAが理想ですが、必ずしもそうならないEAも見受けられます。
その場合は、どうすれば損失を抑えられるかを意識しながらFPやドローダウンを見ると、実取引で利益を積み上げられる EAが見えてきます。
右肩上がり=安全ではない。損益グラフから安定EAを見極め方
- 損益グラフは、EAの運用成績を視覚的に確認するための最重要指標である。
- グラフが右肩上がりで安定しているほど、EAの利益が継続的に積み上がっていることを示す。
- 急激な上昇や大きな下落があるグラフは、リスクが高く再現性に欠ける傾向がある。
- 横ばい期間が長いEAは「含み損を抱えたままの停滞期」を示すことがある。
- グラフの滑らかさ(変動の少なさ)は、EAの安定性とリスク管理の正確さを測る目安になる。
EAの挙動を確かめるときに損益グラフを見ると思いますが、そのときにはグラフが滑らかな曲線を描いているかを見てください。
一般的には右肩上がりという言葉に代表されるように角度のついたグラフが「稼ぎの象徴」とされています。
しかし、急に利益が伸びているグラフは、ハイリスクなロジックやナンピン型EAの可能性があり、実際に大きな損失を出しているEAも少なくありません。
初動の利益は少なくても、曲線が緩やかに上昇しているEAこそ、リスクを抑えて稼げるEAなのです。
MT5のグラフでは、損益曲線とドローダウン(下に伸びる赤線)のバランスにも注目してください。益線が上に伸び続け、ドローダウンが浅い状態を維持できていれば、そのEAは「安定して稼ぎ続ける力」を持っていると判断して良いでしょう。
PDCAを回してバックテストの精度を向上!
バックテストに必要なヒストリカルデータはMT5を起動させ、2〜3クリックでダウンロードできます。
バックテストをするときにもっとも気になるのは「何を見て、どう考えればバックテストの精度を高められるか・実取引での損失を小さくできるか」でしょう。
バックテストの精度を高めるために必要なのが自分の中に相場感覚を育てることです。
またその数値がよくわからなければ、ChatGPTなどの生成AIに相談したりして、自分の中のバックテストの内容やEA運用の解像度を上げていくことも重要です。
今の時点ではFPやドローダウンの目安を見ても、その設定でEAを動かしたとき、どんなトレード結果になるかわからないからピンと来ていないかと思います。
百聞は一見にしかずではありませんが、実践の積み重ねていくと少しずつ相場の状況に合わせた最適なEAの設定が肌感覚でつかめてくるものです。
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先にも触れたように自動売買の稼ぎを左右するのがMTとEAの組み合わせです。
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