MT4は、世界中のトレーダーに利用されている信頼性の高いソフトで、チャート分析・発注・自動売買まで一括で行える操作性が特長です。
とくに自動売買で使う「EA(エキスパートアドバイザー)」は、このMT4やその後継のMT5でしか使えない仕組みになっており、MTの導入と使いこなす技術がEA運用にはかかせません。
人間のような焦りや不安などの感情に左右されずに、予め設定されたルール通りに24時間稼働してくれるEAは、忙しい方やFX初心者にこそ相性が良いツールです。
この記事では、MT4とは何か、その基本構造から、自動売買EAの始め方・設定方法までを初心者にもわかりやすく解説しています。
まず知っておきたい!MT4と自動売買(EA)の仕組み
FXの自動売買を始めるには、「MT4」と「EA」という2つのツールが必要です。
MT4(エムティーフォー)は、チャートの確認・取引の実行・自動売買の管理など、すべてを一つの画面で行える無料ソフト。
簡単に言えば「MT」とはFXのすべてを操作・監視できる“コックピット”のようなものです。
主な特徴は以下の通りです。
- 相場の動きが見える:「ローソク足チャート」で価格の流れを視覚的にチェックできます
- 売買タイミングがつかめる:「移動平均線」「RSI」などのテクニカル指標が使えます
- 自動売買EAを複数同時に使える:異なる戦略のEAを並行して運用可能
- 取引の記録が残る:あとから振り返って「どのEAが良かったか」がわかります
世界中のトレーダーに選ばれているのは、軽快な動作と高い信頼性があるから。自動売買を使いたいなら、まずはMT4を使いこなすことがスタートラインです。
それじゃあEAの役割とは?売買を自動で動かす“プログラムの脳”
「MTはわかったけれど、それじゃあEAは?」という方のために解説すると、EAはMT上で動く自動売買プログラムのことです。
EAはあらかじめ決められたルールに従い、「買い」「売り」の判断から実行までを24時間自動で行ってくれる便利なツールです。
たとえば、以下のような悩みを持つ方にこそ向いています:
- 仕事や家事が忙しくチャートを見る時間がない
- 自分の売買の判断に自信がない
- 不安や焦ったり、楽観的な取引で損をしてしまいがち
EAは、プロのトレーダーやプログラマーが組んだ「売買ルール」に沿って動くため、初心者でもすぐに使えるのが魅力。
自分で難しい設定をする必要はなく、好みのEAを選んでMT4に入れるだけでスタートできます。
しかも、人間のように「欲張る」「怖がる」といった感情のブレがないので、淡々と安定したトレードを継続できるのが最大の強みです。
ただし注意点もあります。EAはMT4が常に起動している状態でないと動きません。
そのためEAを使用する際にはパソコンを常時つけておくか、VPS(仮想サーバー)を利用するのが一般的です。
EAはMT4・MT5が起動していないと動きません!EAとMTはセットで運用
EAがFX初心者に向いている理由とは?EAがあるからこそ安心してトレードしやすくなる!
理由 | 詳細 |
---|---|
感情に左右されず、冷静な取引を続けられる | 焦りや欲といった感情による判断ミスを避けることができます |
損切りやエントリーの基準が明確に決まっている | 事前に設定されたルールに従って一貫した取引を行います |
過去の検証データに基づいて設計されている | 統計的根拠に基づいた信頼性の高いロジックで動作します |
操作がシンプルで、初心者でも始めやすい | 複雑な設定や操作を覚える必要がありません |
時間がなくてもトレードを継続できる | 24時間自動で取引機会を監視し、実行します |
裁量トレードでは、「今がチャンスかもしれない」「このまま放っておくと損をするかも」といった焦りや欲の感情が判断を狂わせることがあります。
こうした感情に基づいた操作は、損切りのタイミングを誤ったり、無駄なエントリーを増やしてしまったりと、リスクを広げる原因にもなります。
一方で、EAはルールに基づいた一貫した取引を淡々と繰り返すため、感情に流されることがありません。
過去の検証に基づいて設計されたロジックにより、冷静でブレのない運用が可能です。
「判断に自信がない」
「取引の勉強をこれから始めたい」
「時間が取れない」
そんな方にこそ、自動売買はFX取引の入り口としてぴったりです。
MT4の基本設定で押さえるべき必須ポイント
設定項目 | 詳細説明 |
---|---|
取引ロットの設定 | 1回の取引量=リスク量。初期設定では大きすぎることもあるので注意が必要 |
時間足・チャートの切り替え | 自分が見たい時間軸でチャートを表示。分析の精度に直結する |
インジケーターの導入と表示調整 | RSIや移動平均線など、取引ルールに合った指標を追加設定 |
取引履歴とアラートの設定 | エントリー・決済タイミングの見直しや通知確認に役立つ |
全体のUI(画面表示)の整理 | チャートの配色やウィンドウの配置を自分用にカスタマイズ |
MT4を使う際に、最初に確認しておきたいのが「ロット設定」「インジケーター」「UIの構成」という3つの基本項目です。
これらは、取引の安全性や精度を大きく左右する”操作前の土台”となる部分です。
まず「ロット設定」は、あなたの資金を守る最後の砦です。
EA運用を初期設定のまま取引を始めると、初期設定と現在の相場状況が適合しておらず、想定以上の大きな損失を被る可能性もあります(少額で始めればそういったことはないですが)。
1回の取引で資金の大部分を失うリスクを避けるため、自分の資金量に見合ったロット数に調整することが不可欠です。
次に知っておきたいのが「インジケーター」の役割です。
インジケーターとは、相場の方向性や売買のタイミングを、数値やグラフで“見える化”してくれる判断ツールのこと。移動平均線やRSI、MACDなどが代表的です。
これがあることで、以下のようなメリットがあります。
- 感覚や勘に頼らず客観的な判断ができる
- 「今が買い時か?売り時か?」を明確な基準で判断できる
- 焦りや過信によるミスエントリーを防げる
特に初心者のうちは、「なんとなく」でトレードしてしまいがちですが、インジケーターがあると、ルールに基づいた取引が可能になります。これは、裁量トレードでもEA設定でも共通して大切な考え方です。
そして、もうひとつ意識したいのがMTのUI(画面構成)です。
あらかじめUIを整理しておくことで、必要な情報を一目で把握できるようになり、判断ミスや操作ミスを大幅に減らすことができます。
これらの設定は、取引の安全性や精度を大きく左右する”操作前の土台”となる部分です。最初の5分間でしっかり設定しておくことで、その後の取引が格段に安全で効率的になるのです。
ロットって何?取引で損しないための超基本を知ろう
取引量(ロット数)は、そのまま1回の取引で動く金額=リスクの大きさに直結します。
同じEAでも「0.1ロット」で運用するのと「1ロット」で運用するのとでは、利益も損失も10倍の差が出ます。
ポイント | 内容 |
---|---|
1. 1ロット=10万通貨と覚える | 取引単位が大きく、初心者にはハイリスク |
2. 0.1ロット以下から始める | 小さい単位()始めることでリスクを抑えられる |
3. ロット数が大きいほど損益の振れ幅も大きい | 小さな値動きで大きな損失になる可能性がある |
4. 資金の1~2%以内のリスクに収める | リスク管理の基本。大きな損失を防ぐための目安 |
5. MT4でロット数は自由に変更可能 | 取引前に自身で調整できるので柔軟な対応が可能 |
これはつまり、「ロットを大きくすれば利益も増えるが、同時に損失のリスクも大きくなる」ということです。
EAは自動で取引を繰り返すため、気づかないうちに大きな損失が重なる可能性もあるのが注意点。だからこそ、最初に自分が許容できるリスクの範囲でロットを設定しておくことが重要です。
最初は「0.01〜0.1ロット」の少額設定で始めて様子を見るのがおすすめです。運用に慣れてから、少しずつ調整していくほうが安全にEA運用を続けやすくなります。
初心者におすすめのロット設定
ロット数 | 通貨量 | 値動き1円あたりの損益(USDJPYの場合) | リスクの大きさ | 初心者向けか? |
---|---|---|---|---|
1.00ロット | 100,000通貨 | 約10万円 | 非常に高い(上級者向け) | × おすすめしない |
0.10ロット | 10,000通貨 | 約1万円 | 中程度 | △ 慣れてからがおすすめ |
0.01ロット | 1,000通貨 | 約1,000円 | 低リスクで練習向き | ◎ 初心者に最適 |
初心者の方にとっては、ロット=リスクの大きさと考えるのが分かりやすいでしょう。
たとえば「1ロット=10万通貨」を意味し、米ドル/円であれば「10万ドル分の取引をする」ということになります。
0.1ロットなら1万通貨、0.01ロットなら1000通貨と、リスクは段階的に小さくなります。
価格が1円動いただけで、1ロット(=10万通貨)の取引では最大で10万円の損益差が生じることもあります。
これは、たとえば米ドル/円で1ロット=10万ドルを保有していた場合、為替レートが1円動くだけで「10万ドル × 1円=10万円」の損益が発生するためです。
値動きの幅が小さくても、ロット数が大きいと金額の変動が一気に大きくなります。
このようなリスクを避けるためにも、最初は「0.1ロット以下で始める」のがおすすめです。
ロットと合わせて考えて欲しい「損失額のルール」
上記に加えて、「1回の取引で失っても良い金額=全資金の1~2%以内」という損失許容ルールを決めるのもおすすめしています。
資金額 | 損失許容(2%) | 1回の最大損失 | 推奨ロット(USDJPY) | 補足 |
---|---|---|---|---|
50,000円 | 1,000円 | 約1,000円 | 0.01ロット | 小さな練習トレードに最適 |
100,000円 | 2,000円 | 約2,000円 | 0.02ロット | 初心者におすすめの上限 |
300,000円 | 6,000円 | 約6,000円 | 0.06ロット | 少しずつステップアップ可能 |
500,000円 | 10,000円 | 約10,000円 | 0.1ロット | 中級者向け |
1,000,000円 | 20,000円 | 約20,000円 | 0.2ロット | 慣れてきた方向けの目安 |
たとえば10万円の資金がある場合、「損失2%」ならば、1取引あたりの最大損失は2,000円です。この設定で仮に5連敗しても最大損失は1万円です。
損失1万円は痛いですが、すぐに自動売買を止めるほどの痛手にはならないでしょう。
「損失2%以内」と決めれば大損は防げます。
インジケーターとは?迷わず取引するための”相場の目”を持とう
インジケーターの役割、初心者が知っておくべき5つのポイント
ポイント | 詳細 |
---|---|
相場の方向性を数値とグラフで”見える化”できる | 感覚に頼らず、データに基づいた判断が可能 |
売買タイミングを冷静に判断する材料になる | 感情に左右されない客観的な判断基準を提供 |
EAの動作ロジックに組み込まれていることが多い | 自動売買の仕組みを理解するのに役立つ |
裁量トレード時の迷いを減らす補助ツールとして機能する | 手動取引時の判断をサポート |
MT4上で誰でも簡単に追加・削除・設定が可能 | 技術的な知識がなくても利用できる |
インジケーターとは、相場の動きや傾向を視覚的に分かりやすくするための分析ツールのことです。
インジケーターには「トレンド系」と呼ばれるものは相場の方向性(上昇・下降)を示し、「オシレーター系」は買われすぎ・売られすぎなどの反転タイミングを教えてくれます。
EA(自動売買)の多くは、こうしたインジケーターの情報をもとに「買い」「売り」を判断します。たとえば移動平均線(MA)やRSIなどは、EAの中でもよく使われている代表的なインジケーターです。
インジケーターを理解しておけば、EAが”なぜ今エントリーしたのか””なぜ決済したのか”を読み解く手がかりになります。自動売買任せでも、仕組みが見えると安心して使えるようになります。
初心者におすすめインジケーター
インジケーターは“相場の状態を見える化”する頼れる道具です。
インジケーターは、チャート上に価格の流れ・勢い・反転の兆しなどを数値や線で示してくれるツールですあり、インジケータを使うことで以下のようなことが、データとして客観的にわかります。
- 今は「上昇トレンド」なのか「下落トレンド」なのか
- 価格が行き過ぎていて「反発」しそうかどうか
- そろそろ買い(売り)タイミングか、しばらく待つべきか
つまり、インジケーターを使えば、自分の勘や感情に頼らず、ルールベースの判断ができるようになります。
FXでは「なんとなく」でのエントリーがもっとも危険。インジケーターがあれば、取引の根拠が明確になるため、迷いが減り、判断ミスのリスクも大きく減らせます。
初心者こそ、「何を見て判断すればいいのか分からない」という迷いを減らすために、インジケーターを活用することが、安全で継続しやすい運用の第一歩になります。
インジケーター名 | 主な役割 | 初心者におすすめの理由 |
---|---|---|
移動平均線(MA) | 相場全体の方向性(トレンド)を把握する | 「上昇か下降か」をひと目で判断しやすく、エントリー・決済のタイミングの目安になる |
RSI(相対力指数) | 相場が”買われすぎ”か”売られすぎ”かを数値で示す | エントリーの逆張り判断がしやすく、チャートに慣れていない人でも数値で判断可能 |
MACD(移動平均収束拡散法) | トレンドの転換点や勢いを視覚的に示す | クロス(交差)で売買サインを捉えられ、トレンドフォローにも逆張りにも対応できる |
初心者がまず押さえておきたいのは、「今どう動いているか」が見える以下3つの基本指標です。
それぞれ難しい専門用語なので、ここでは1つずつ詳しく解説します。
RSI(相対力指数)とは
RSI(相対力指数)は「今の相場が買われすぎか売られすぎか」を0〜100のスケールで示すインジケーターです。
この数値は、直近の値動きの中で「陽線(上昇)」が何%を占めていたかをもとに算出されます。
具体的にはRSIが70を超えていれば、過去の一定期間で”上昇した日が圧倒的に多かった”=買いが過熱している状態となります。
上記のケースでは利確や反転売りが入りやすくなるため、「売りサイン」とされます。
逆にRSIが30を下回ると「売られすぎ」と判断できるため、反発上昇のタイミングを狙う買いサインになります。
MACD(移動平均収束拡散法)とは
MACD(移動平均収束拡散法)は、2本の移動平均線(短期と中長期)の差を分析し、トレンドの勢いや転換点を見つけるために使われます。
2本の線が交差する「ゴールデンクロス」「デッドクロス」のポイントでは、上昇・下降への転換が発生しやすいため、エントリーや決済のシグナルとして活用されます。
移動平均線(MA)とは
移動平均線(MA)は価格の動きを平滑化し、日々の”ブレ”をならすことで相場の大局的な流れを視覚的に捉えることができます。
たとえば短期線が長期線を上抜けた場合には「上昇トレンドの始まりかも」と判断するなど、全体の方向感を見るうえで欠かせないツールです。
MT4では、これらのインジケーターをメニューから数クリックで表示・非表示の切り替えができるほか、表示期間や色、太さなども自由に調整できます。
「チャート見やすさ」は売買判断に直結するため、最初は3つほど試しながら、自分に合った分析環境を整えていくのがおすすめです。
本格運用の土台に!PC版MT4でEAを安定稼働させるための設定フロー
PC版MT4は、EAを安定して動かすための基盤となる取引ツールです。
自動売買を始めるには、このMT4上にしっかりとした設定環境を整えることが欠かせません。
まず、以下の5つのステップに沿ってEAの作動環境を整えましょう。
ステップ | 作業内容 | 目的・ポイント |
---|---|---|
①MT4のインストール | 公式サイトや証券会社からPC版MT4をダウンロードし、インストールを実行する | EAが正常に稼働するための前提環境を整える |
②ログインと接続確認 | 証券口座のIDとパスワードでログインし、チャート表示と接続状態をチェック | リアルタイムで取引が行える状態かを確認する |
③自動売買の有効化設定 | 「自動売買ボタン」をONにし、オプション設定で「DLLの使用を許可」などを有効化 | EAが取引を実行できる状態を正しく構築する |
④EAの導入とチャートへの設定 | EAファイルを「Experts」フォルダに配置し、ナビゲーターからチャートにドラッグ | EAが動作する対象チャート・通貨ペアを明確にする |
⑤VPS環境での稼働確認 | 仮想サーバーにMT4をインストールし、24時間安定稼働するかをチェック | 自宅PCに依存せず、EAを途切れずに稼働させる |
EAを活用した自動売買では、PC版MT4の「安定稼働」「正確な設定」「継続接続」がすべての基盤になります。
MTの設定がうまくいかないと「EAが動かない」「自動売買が停止する」といったトラブルにつながります。
トラブルを防ぐために、設定手順を確認しておきましょう。
なお、MT4の設定手順やEAの設定の流れなどに関してはこちら《FX×MT4/EAに関する『お役立ち記事』》でも詳しく解説しています。
①MT4のインストール
MT4を使い始めるうえで最初のステップとなるのが、インストール作業です。
MT4のインストールでよくある失敗が、「証券会社に対応していないMT4をインストールしてしまう」ことです
項目 | 内容 |
---|---|
作業内容 | 公式サイトまたは利用する証券会社のサイトから、PC版MT4をダウンロードし、インストールを実行する |
注意点 | 口座を開設した証券会社専用のMT4を選ばないと、ログインできない場合があります。MT4は会社ごとに接続先サーバーが異なるため、公式の提供元から正しいバージョンを選んでください。 |
口座を作った会社とは別の会社が出しているMT4を間違ってインストールしてしまうと、ログインしてもエラーになります。
これは、MT4は見た目が同じでも、接続先の設定が会社ごとに違うからです。
つまり、自分の口座に対応したMT4を使わないと、取引ができる状態になりません。
正しいMT4は、口座開設のときに届くメールや、公式サイトの「取引ツール」ページに案内があります。
MT4はそのダウンロードリンクからインストールしてください。
「口座を作った会社の案内にあるMT4を選ぶ」と覚えておくと安心でしょう。
②ログインと接続確認
MT4をインストールしたら、次に行うのが「ログイン操作」になります。
ログインのときに多く見受けられるのが「サーバーの選択ミス」です。
項目 | 内容 |
---|---|
作業内容 | 取引口座の「ID」「パスワード」「サーバー名」を入力してMT4にログインする |
注意点 | 入力ミスやサーバー名の選び間違いが原因でログインできないケースが多い。チャートや気配値が正しく表示されているか、接続ステータスが「接続中」になっているかも確認する。 |
ログインには3つの情報が必要です。
・取引口座のID(ログイン番号)
・パスワード
・サーバー名(接続先)
この3つは、口座を開設したときに届くメールに書かれています。
とくに初心者がつまずきやすいのが、サーバー名の選択ミスです。
「IDやパスワードは合ってるのにエラーになる…」という場合は、サーバーの名前が違っている可能
ログインには3つの情報が必要です。
・取引口座のID(ログイン番号)
・パスワード
・サーバー名(接続先)
この3つは、口座を開設したときに届くメールに書かれています。
とくに初心者がつまずきやすいのが、サーバー名の選択ミスです。
「IDやパスワードは合ってるのにエラーになる…」という場合は、サーバーの名前が違っている可能性があります。
MT4には似たような名前のサーバーが複数表示されることがあり、例えば「Demo-Live01」「Demo-Live02」「Real-Live01」など、一文字違いで異なるサーバーが並んでいることも珍しくありません。
ログインに成功すると、画面にチャートや通貨の価格(気配値)が表示され、「回線状況」が”接続中”または”データ受信中”になります。
それが、MT4が正しく接続できたサインです。
また、画面右下に表示される接続ステータスも必ずチェックしてください。正常に接続されている場合は緑色のマークが表示され、接続に問題がある場合は赤色のマークが表示されます。
ログインがうまくいかないときには、もう一度ログイン情報を確認してみましょう。特にサーバー名は、口座開設時のメールに記載されている通りになっていないなど、細かなミスが原因なことも少なくありません。
③自動売買の有効化設定
項目 | 内容 |
---|---|
作業内容 | MT4画面上部の「自動売買ボタン」をONにし、オプション画面で「DLLの使用を許可」などの詳細設定を行う |
注意点 | ボタンをONにするだけでは不十分。内部設定で「自動売買を許可」「DLLの使用を許可」などをすべてチェックしておかないと、EAが動作しないので注意が必要。 |
MT4でEA(自動売買プログラム)を動かすためには、2つの「自動売買の許可設定」が必要です。
ひとつは目に見える「自動売買ボタン」、もうひとつは、MT4の内部メニューで行う詳細設定です。
まず最初に確認したいのが、画面上部にある「自動売買」ボタンです。
このボタンをクリックすると、色が赤から緑に変わります。緑の状態であれば、EAの実行が”見た目上は許可されている”ということになります。
しかし、これだけではMT4の中でEAの動作が本当に許可された状態にはなっていません。
MT4内部の設定画面でも、以下の操作をして「本体の許可」を出しておく必要があります。
【設定手順】
「ツール」→「オプション」→「エキスパートアドバイザ」タブを開く
次の3つにチェックを入れる
- 「自動売買を許可する」
- 「DLLの使用を許可する」
- 「外部エキスパートの使用を許可する」(EAによって必要)
これらの設定を済ませることで、MT4がEAに対して正式に「取引の実行を許可する」状態になります。
「有効化ボタンを押しているのに動かない…」というトラブルは、この内部設定の見落としが原因であることが非常に多いです。
④MT側へのEAの導入とチャートへの設定
MT4の自動売買を有効化できたら、次はEAをチャートに反映させて実際に動かす準備に入ります。
このときに特に注意したいのが、「EAのタイプ」と「時間足・通貨ペア」の組み合わせです。
「EAのタイプ」と「時間足・通貨ペアの組み合わせ」が合っていないと、MT側にEAを入れてもEAは動きません。
自動売買を始めるには「時間足・通貨ペア」の正しい組み合わせを知る必要があります。
EAタイプとは?実はEAには多種多様さまざまな種類があります!
EAにはいろんなタイプがあります。
「短時間で何度も売買するタイプ」や「数日間じっくり保有するタイプ」など、売買のスピードや狙い方の違いがタイプによって分かれています。
EAはそれぞれ、あらかじめ「どんな戦略で利益を狙うか」がプログラムされているので、そのタイプに合わせた時間足(1分足・1時間足・日足など)や通貨ペアを選ばないと、うまく機能しません。
主に次のようなEAのタイプがあります。
タイプ | 取引スタイル | 主な特徴 | 向いている時間足 | 向いている通貨ペア |
---|---|---|---|---|
スキャルピング型 | 超短期(数秒~数分) | 細かな値動きで小さな利益を積み重ねる | 1分足・5分足 | USD/JPY、EUR/USDなど |
デイトレード型 | 短期(1日以内) | 1日の中で完結する。朝~夜の変動を狙う | 15分足~1時間足 | EUR/JPY、GBP/USDなど |
スイング型 | 中長期(数日~数週間) | トレンドを捉えて大きな値幅を狙う | 4時間足・日足 | EUR/USD、AUD/JPYなど |
ナンピン型 | 逆行時に複数エントリー | 平均取得価格を下げて、反発時に一括決済を狙う | 1時間足・4時間足 | USD/JPY、AUD/JPYなど |
トレンドフォロー型 | 順張り(上昇/下降追従) | トレンド方向にエントリーし、途中で利確・損切りする | 1時間足・日足 | GBP/JPY、EUR/USDなど |
たとえば、数分ごとの値動きを狙う「スキャルピング型」、日単位でトレンドを追う「スイング型」、逆行時にポジションを増やす「ナンピン型」などがあります。
タイプによって適した時間足や通貨ペアが異なるため、EAに最適なチャート環境で動かすことが安定運用のカギになります。
時間足とは?これに失敗すると大損することも!
時間足(タイムフレーム)とは、チャート上のローソク足1本が何分・何時間・何日の値動きを表すかという単位です。
1分足なら1分ごと、1時間足なら1時間ごとに足が1本追加されます。
時間足の種類 | 1本あたりの時間 | 特徴 | 向いているEAタイプ |
---|---|---|---|
1分足(M1) | 1分 | 値動きが細かく、頻繁に更新される | スキャルピング型 |
5分足(M5) | 5分 | 短期トレードの基本。頻度高め | スキャルピング/デイトレ型 |
15分足(M15) | 15分 | スキャルとデイトレの中間 | デイトレード型 |
1時間足(H1) | 1時間 | ノイズが減り、方向性を見やすい | ナンピン型/トレンドフォロー型 |
4時間足(H4) | 4時間 | 大きな流れを捉えるのに適している | スイング型 |
日足(D1) | 1日 | 長期トレンドの判断に使われる |
EAはこの時間足をもとに売買判断をするため、間違った時間足でEAを動かすと、エントリーのタイミングがズレたり、EAがまったく動かなくなったりすることがあります。
通貨ペアとは?FXで取引される2つの通貨の組み合わせもきちんと選ぼう!
通貨ペアとは、FXで取引される2つの通貨の組み合わせのことです。
通貨ペアは、FX会社ごとに組み合わせと表記が決まっていて、間違ったものを選んでしまうとEAは動きません。
ペア | 読み方 | 値動きの特徴 | 向いているEAタイプ |
---|---|---|---|
USD/JPY | 米ドル / 日本円 | 安定的で初心者向き。スプレッドが狭い | スキャルピング型・ナンピン型 |
EUR/USD | ユーロ / 米ドル | 流動性が高く、トレンドも出やすい | スイング型・スキャル型 |
GBP/JPY | ポンド / 日本円 | 変動が大きく利益も損失も出やすい | トレンドフォロー型・ナンピン型 |
EUR/JPY | ユーロ / 日本円 | トレンドが素直で扱いやすい | デイトレード型・スイング型 |
AUD/JPY | 豪ドル / 日本円 | 比較的安定していて中長期に向く | ナンピン型・スイング型 |
GBP/USD | ポンド / 米ドル | 値動きが荒く、上級者向き | スキャルピング型・トレンド型 |
EAの導入とチャート設定は、正しくできれば数分で完了しますが、1つでもミスがあると稼働せず、「壊れてる?」と誤解するケースも見受けられます。
焦らず、EAの設計に沿った通貨ペア・時間足を守ることが、安定運用の第一歩になります。
⑤VPS環境での稼働確認:24時間止めずにEAを動かすために
自動売買EAを本格的に稼働させる場合、「VPS(仮想専用サーバー)」の導入はほぼ必須と言えます。
VPSとは、インターネット上に設置された24時間稼働し続ける”仮想のパソコン”のことです。
家庭用のパソコンでEAを動かしていると、次のようなリスクがあります。
原因 | 内容・状況説明 | EAへの影響 |
---|---|---|
スリープモード/電源オフ | PCが自動的にスリープまたはシャットダウンされる | MT4が停止し、EAが取引できなくなる |
Wi-Fi切断/通信トラブル | 自宅のネットが不安定、ルーター再起動などが発生 | サーバーとの接続が切れ、エラーになる |
Windowsアップデート・再起動 | 自動アップデートで勝手に再起動が行われる | EAが終了し、未決済ポジションに支障も |
MT4が停止すると、EAも当然止まり、せっかくの売買チャンスを逃すことになりかねません。
特に夜間や旅行中など、常にパソコンを見張ることができない人にとって、VPSは”EAの安定稼働を守るセーフティーネット”になります。
MT4の初期設定だけでなく、VPSの準備と稼働確認まで行っておくことで、トラブルや損失リスクを未然に防げます。
MT4の設定が整ったら、いよいよ自動売買の運用へ
この記事では、PC版MT4の導入手順からEAの設定、自動売買を始めるための基本ステップを解説してきました。
この記事のまとめ
- MT4とEAの仕組みがわかると、自動売買の全体像がつかめる
- EAを使うにはMT4の正しい設定が不可欠
- インジケーターは「感情に左右されない判断」のサポートになる
- よくある設定ミスも、事前に知っていれば簡単に防げる
- 最初は小さなロットで始めて、少しずつ慣れていけばOK
自動売買は、最初に丁寧に設定をするだけで、あとはほぼ放置でもコツコツ運用が続けられるのが魅力です。
特に初心者にとって大事なのは、「最初にどのEAを選び、どう設定するか」。ここが押さえられれば、スタートはぐっとスムーズになります。
そこでおすすめなのが、無料で高性能なEAが使えるEABANKです。
EABANKでは、バックテスト済み・実績公開済みのEAが100種類以上そろっており、初心者向けのEAガイドも揃っています。
「MTの設定が終わったから、次は自分にあったEAを選びたい!」という方は、まずはEA BANKでさまざまなEAを比較してみてください!
【今すぐ無料で始める】→ https://ea-bank.com/touroku/
完全無料!EA-BANKなら
100種類以上のEAが使い放題
EA-BANKに無料登録すると、100種類以上の優良なEAが無料で使い放題になります。
毎月のフォワードテストで、ランキングも表示され、優良なEAが丸わかり!
EA-BANKの無料会員登録はこちら
↓↓↓↓