海外FXで得た利益は、日本の税法上「雑所得」に分類され、他の所得と合算される「総合課税」の対象です。
【海外FXでかかる税金：基本知識と確定申告の注意点】
- 総合課税の対象: 海外FXの利益は「雑所得」として総合課税の対象となり、所得が増えるほど累進課税により税率も上昇します。
- 確定申告の基準: 年間の利益が20万円以上であれば会社員も申告が必要です。個人事業主や専業主婦は48万円以上が基準です。
- 損益通算: 海外FXの損失は他の雑所得と通算可能ですが、翌年に繰り越せないため年度内に損失を補填できなければ無駄になります。
- 国内FXとの税率の違い: 国内FXは一律20.315%の申告分離課税ですが、海外FXは累進課税で最大55%に達する場合があります。
- 経費の計上: 確定申告時には通信費や手数料などを経費にできるため、課税対象を減らす工夫が可能です。
つまり、海外FXで利益額が増えるほど累進税率が適用され、税負担が増えるという仕組みになっています。
会社員の場合、年間20万円以上の利益が確定申告の対象であり、専業主婦や個人事業主は48万円以上で申告義務が生じます。
また、海外FXの損失は年度内に限り他の雑所得と通算可能ですが、翌年には繰り越せません。国内FXの税率とは異なり、最大で約55％に達する可能性があるため、適切な申告準備が必要です。
この記事では、海外FXにかかる各種税金の情報と計算方法、面倒なときに税務処理をまるなげ出来る税理士さんを探せるオススメサービスについて詳しく解説しています。
【関連記事①】海外FXの確定申告完全マニュアル！基準額、必要書類、罰則リスクを徹底解説
【関連記事②】海外FXの利益はバレる！？抜け道は？脱税が発覚する4つの理由
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【初心者必見】海外FXでかかる税金とは？具体的な税金の仕組みについて
海外FXでかかる税金の基本
-
- 海外FXで得た利益は、日本の所得税法で「雑所得」に分類されます。
- 他の所得と合算され、所得全体に応じた税率（累進課税）が適用されます。
- 国内FXとは異なり、海外FXでは税率が最大で約55％（住民税含む）になる可能性があります。
- 海外FXの利益が会社員の場合年間20万円以上、個人事業主や専業主婦の場合は年間48万円以上になると確定申告が必要です。
- 海外FXの確定申告では、収入から経費を差し引くことで課税対象を軽減できる方法もあります。
日本の税法上、海外FXの利益は他の収入と「雑所得」として、合算されて課税され、所得が増えるほど税率も上がり、支払う税金額が増える仕組みになっています。
雑所得とは、給与や年金などのメイン収入以外の収入のことで、FX取引での利益もこれに含まれます。
（投資信託の分配金や副業収入、アフィリエイト収入、仮想通貨取引での利益も雑所得に分類）。
雑所得はさらに他の所得と一緒に扱われるため、海外FXで得た利益は「総合課税」の対象となり、全体の所得に応じた税率（累進課税）が適用されてしまうのです。
海外FXと国内FXの税金の違いを徹底比較
| 項目 | 海外FX | 国内FX |
|---|---|---|
| 課税方式 | 総合課税（他の所得と合算され、累進課税が適用される） | 申告分離課税（FX利益のみを分離し、一律約20.315%で課税） |
| 税率 | 最大約55%（累進課税により所得に応じて変動） | 一律約20.315%（所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%） |
| 損益通算 | 他の雑所得と合算可能（ただし、FXの損失は翌年に繰越し不可） | FX以外の先物取引等と通算可能。損失は3年間繰越し可能 |
| 確定申告の基準 | 給与所得者は利益が年間20万円以上、非給与所得者は48万円以上 | 給与所得者は利益が年間20万円以上、非給与所得者は48万円以上 |
海外FXと国内FXは税金の計算方式が上記のように異なっています。
海外FXは「総合課税」で、他の所得と合算して累進課税が適用され、所得が増えるほど税率も上がります。
これに対し、国内FXは「申告分離課税」により、一律約20.315％の税率が適用され、他の所得に関係なく独立して課税されます。
また、国内FXは損失を3年間繰り越せますが、海外FXで発生した損失は翌年以降に繰り越すことが出来ません！
海外FXと国内FXの損失の違いについて
| 項目 | 海外FX | 国内FX |
|---|---|---|
| 損益通算の範囲 | 他の雑所得（副業収入など）と通算可能 | 他の先物取引（国内FXや株式の信用取引など）と通算可能 |
| 損失の繰り越し | 不可（その年限りで損失が消滅） | 3年間繰り越し可能 |
| 税制上のメリット | 同年内に他の雑所得があれば損益通算で税負担を軽減可能 | 損失を翌年以降に繰り越せるため、長期的な利益確保が目指せる |
| デメリット | 損失を翌年以降に繰り越せないため、大きな損失が無駄になる | 他の雑所得とは通算できないため、FX以外の収入とは相殺不可 |
| 適用例 | その年の副業収入やアフィリエイト収入と通算可能 | 国内FXや株式の信用取引、日経225先物取引などと通算可能 |
海外FXの損失は、日本の税法上、他の所得との損益通算が一部可能ですが、繰り越し控除は認められていません。
具体的には、国内FXと異なり、海外FXで発生した損失は翌年以降に繰り越すことができず、その年の他の雑所得と通算することになります。
例えば、海外FXで得た収入以外に、副業収入や他の雑所得がある場合は、その所得と合算して損益通算が可能なため、税金を節約することが出来ます。
ただし、海外FXは先にも触れたように「損失を翌年以降に繰り越せない」ため、年度内の損失を補填できない場合は、損失分が税務上無駄になってしまいます。
一方、国内FXでは、損失を3年間繰り越せる「損失繰越控除」が認められているため、損失が出ても翌年以降の利益と相殺が可能で、長期的に利益を安定させやすいというメリットがあります。
海外FXの税金はどれくらいかかるのか？具体的なシチュエーション別に解説
| シチュエーション | 利益金額 | 課税方法 | 所得税額 | 住民税額 | 合計税額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 年収500万円の会社員、副業で海外FXの利益300万円 | 300万円 | 総合課税（累進税率） | 約60万円（300万円 × 20％） | 30万円（300万円 × 10％） | 約90万円 |
| 年収500万円の会社員、副業で国内FX100万円＋海外FX200万円 | 国内FX100万円、海外FX200万円 | 国内FXは申告分離課税、一律20.315％ 海外FXは総合課税 |
国内FX：約20万円（100万円 × 20.315％） 海外FX：約40万円（200万円 × 20％） |
国内FX：約5万円（100万円 × 5％） 海外FX：20万円（200万円 × 10％） |
約85万円 |
| 海外FX専業で年収1000万円 | 1000万円 | 総合課税（累進税率） | 約330万円（1000万円 × 33％） | 100万円（1000万円 × 10％） | 約430万円 |
この章では、上記の表にある3つのシチュエーション、「年収500万円の会社員で、副業として海外FXで利益を300万円あげている場合」、「年収500万円の会社員が、副業として国内FXで100万円、海外FXで200万円の利益をあげている場合」、「海外FXを専業として1000万円の利益を得ている場合」について、税金の計算方法や税負担の違いを解説を行います。
これらのシチュエーションを通して、国内FXと海外FXにおける税制の異なる取り扱いと「自分の場合は、いくらぐらいかかるのか？」という確定申告時に支払う税金の目安にしてください。
【シチュエーション①】年収500万円の会社員が副業で海外FXの利益300万円を得た場合
| シチュエーション | 利益金額 | 課税方法 | 所得税額 | 住民税額 | 合計税額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 年収500万円の会社員、副業で海外FXの利益300万円 | 300万円 | 総合課税（累進税率） | 約60万円（300万円 × 20％） | 30万円（300万円 × 10％） | 約90万円 |
まず、年収500万円の会社員が副業で海外FXの利益300万円を得た場合を見てみましょう。
この場合の利益は「雑所得」として総合課税の対象となります。
課税所得が増えるため、累進税率が適用されます。例えば、300万円の利益には20％の所得税がかかり、所得税は約60万円（300万円 × 20％）です。
住民税は一律10％で30万円（300万円 × 10％）かかるため、合計の税額は約90万円になります。
【シチュエーション②】年収500万円の会社員が、副業として国内FXで100万円、海外FXで200万円の利益をあげている場合
| 年収500万円の会社員、副業で国内FX100万円＋海外FX200万円 | 国内FX100万円、海外FX200万円 | 国内FXは申告分離課税、一律20.315％ 海外FXは総合課税 |
国内FX：約20万円（100万円 × 20.315％） 海外FX：約40万円（200万円 × 20％） |
国内FX：約5万円（100万円 × 5％） 海外FX：20万円（200万円 × 10％） |
約85万円 |
次に、同じく年収500万円の会社員が副業で国内FXで100万円、海外FXで200万円の利益を得たケースです。
国内FXは申告分離課税が適用されるため、税率は一律20.315％です。
つまり、国内FXで得た100万円の利益に対して約20万円（100万円 × 20.315％）の税金が発生します。
一方、海外FXは総合課税で、累進課税が適用されるため、計算方法が異なります。
海外FXであげた200万円の利益には約20％の所得税がかかり、税額は40万円（200万円 × 20％）となります。
また、住民税は10％で20万円（200万円 × 10％）となり、さらに先に計算した国内FXと海外FXの税額を合算すると、合計税額は約85万円になります。
【シチュエーション③】海外FXを専業として1000万円の利益を得ている場合
| 海外FX専業で年収1000万円 | 1000万円 | 総合課税（累進税率） | 約330万円（1000万円 × 33％） | 100万円（1000万円 × 10％） | 約430万円 |
最後に、海外FX専業で年収1000万円を稼ぐ場合です。
この場合、利益全体が雑所得として総合課税され、累進税率が適用されます。
1000万円の利益には33％の所得税がかかり、税額は約330万円（1000万円 × 33％）です。さらに、住民税として10％（100万円）が加算され、合計税額は約430万円です。
確定申告が必要なケースと条件：職業別に分かりやすく解説
| 職業 | 確定申告が必要な条件 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 会社員 | 給与以外の所得が年間20万円を超える場合 | 給与所得のある会社員は、給与以外の雑所得が20万円以下であれば申告不要 |
| 個人事業主・フリーランス | 所得が基礎控除額（48万円）を超える場合 | 個人事業主は全ての所得が課税対象となり、申告が義務 |
| 専業主婦（主夫） | 年間の所得が基礎控除額（48万円）を超える場合 | 専業主婦・主夫の場合、所得が一定額を超えると課税対象 |
| 年金受給者 | 年金収入が400万円を超える、または年金以外の所得が20万円を超える場合 | 年金受給者は特定の収入以下なら申告が免除 |
| 未成年者 | 年間所得が基礎控除額（48万円）を超える場合 | 未成年者も所得が基準額を超えた場合、申告が必要 |
海外FXで利益をあげている場合の確定申告の要否は上記の表のように職業や収入形態によって異なります。
まず、会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。
給与所得者には年末調整があるため、20万円以下の副収入は課税対象外として扱われるからです。
一方、個人事業主やフリーランス、専業主婦（主夫）は年間の所得が48万円を超えた場合にのみ申告が必要です。
個人事業主はすべての所得が課税対象となり、基礎控除額を超えると必ず申告義務が生じます。専業主婦・主夫（アルバイト）も同様に、48万円を超えると課税対象となるので注意しましょう！
また年金受給者は、年金収入が400万円以下で他の所得が20万円以下の場合、申告は不要です。
確定申告を忘れた場合のペナルティとリスク
- 確定申告を忘れた場合、無申告加算税が最大20％課せられる可能性があります。
- 納税期限を過ぎた場合、延滞税が発生し、延滞期間が長いほど負担が増加します。
- 無申告が悪質と判断されると、重加算税が最大40％課せられるリスクもあります。
- 延滞税は法定利率に基づいて日割りで計算され、納税が遅れるほど高額になります。
- 未申告が続くと、税務調査が入る可能性が高まり、結果的に追加納税や罰則が重くなるリスクがあります。
確定申告を怠った場合は追加で通常よりも高い税金を支払う必要があります。
まず確定申告をしなかった場合の「無申告加算税」は、期限までに申告しなかった場合に課され、通常は10％、悪質な場合には最大20％の税金を追加で支払う必要が生じます。
またそれだけでなく「延滞税」がかかり、納期限を過ぎると日ごとに増加する仕組みになってます。
申告を意図的に怠り、悪質とみなされた場合は「重加算税」が追加され、最大で40％の罰金が科される可能性もあるので、確定申告を行う際には、期限を守り、正確に納税を行うようにしましょう！
海外FXの確定申告方法：その手順と必要書類とは？
| 手順 | 内容 | 必要書類 |
|---|---|---|
| 1. 海外FX取引の年間損益を計算 | 1年間の取引結果をまとめ、利益と損失を計算します | 年間取引報告書、FX口座の取引明細 |
| 2. 必要経費を算出 | 関連経費（通信費、PC費用など）を計上し、課税対象額を減らします | 経費領収書（インターネット費用、取引手数料など） |
| 3. 確定申告書類の作成 | 国税庁の確定申告書作成コーナーで申告書を作成 | マイナンバーカード、身分証明書 |
| 4. 必要書類を添付し提出 | 作成した申告書と必要書類を準備し、税務署へ提出 | 確定申告書、各種控除証明書 |
| 5. 税金の納付 | 申告書に基づき、指定期日までに納税します | 納付書（または電子納税） |
海外FXの確定申告は、まず、年間の取引で得た利益や損失を計算することから始まります。
取引明細や年間取引報告書を参考に、利益と損失を計算を行います。
次に、通信費や手数料などの関連経費を確認し、課税対象額を減らすためにこれらを経費として計上します。
次に、国税庁の「確定申告書作成コーナー」などを使い、申告書を作成します。確定申告書の作成には、マイナンバーカードや身分証明書が必要です。
その後、作成した申告書に必要な証明書を添付し、税務署へ提出。
最後に、申告に基づいて計算された税額を指定期日までに納付する――というのが一連の確定申告の流れです。
なお、確定申告は現在、マイナンバーカードさえあれば「マネーフォワード確定申告」や「弥生のクラウド確定申告ソフト」を使うことで自宅から簡単にWEB申告が出来るようになっています。
海外FXで得た利益の計算が面倒だ、不安があるという方は税理士さんに依頼するという手も！
| サービス内容 | 個人事業主の相場 | 法人の相場 |
|---|---|---|
| 月額顧問料 | 1万円～3万円 | 1万円～5万円（規模により変動） |
| 確定申告代行 | 5万円～10万円 | 対象外 |
| 決算申告料 | 対象外 | 10万円～20万円 |
| 記帳代行 | 1万円～3万円（追加料金） | 3万円～5万円（追加料金） |
海外FXの税務計算を税理士に依頼する場合、サービス内容に応じた料金がかかります。
個人事業主の場合、月額顧問料は1〜3万円が相場で、確定申告代行は5〜10万円程度かかります。
法人の場合は、月額顧問料が1万円から5万円で、決算申告料が10〜20万円が相場価格です。
また記帳代行や給与計算などを含めたフルサポートプランを選ぶと、法人の場合は年間30万円以上になることもあります。
税理士に丸投げしたい！そんなときに便利なプラットフォーム3選
| サービス | 税務調査対応 | 無料見積もり | 総合評価 |
|---|---|---|---|
 |
◯ | ◯ | ◯ |
 |
△（一部対応） | ◯ | △ |
 |
◯ | ◯ | ◯ |
税理士探しには、上記の表のように主要なマッチングプラットフォームがあります。
まず、その名の通り「税理士ドットコム」は、日本最大級の税理士マッチングサービスで、無料見積もりと口コミ評価の信頼度が高く、税務調査などを行ってくれる税理士が多く在籍しています。
次に「税理士紹介センター」は、コーディネーターが希望に合った税理士を紹介するスタイルが特徴で、自分の目的にあった税理士さんを選びやすいサイトです。
最後の「ミツモア」は、税務調査に特化した税理士を迅速に見つけられ、最大5件の見積もりを比較できるため、特に初めて税理士を探す方にオススメのサイトです。
この章では、海外FXの財務整各社のサービス内容を理解し、目的に合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。
【おすすめ①】税理士ドットコム
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【おすすめ②】税理士紹介センター
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- おすすめな理由: 紹介料は完全無料で、複数の税理士と比較ができるため、料金や対応力を確認しながら最適な税理士を見つけやすい点が魅力です。
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【おすすめ③】ミツモア
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