EA-BANK モーニングレポート
パウエルFRB議長の発言で、インフレに対する警戒感後退(2.7 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が上昇しての引けとなりました。先週の米雇用統計後のリスク回避的な動きが継続して朝方は売り圧力が強まる場面もありましたが、パウエルFRB議長が『ディスインフレのプロセスが始まった』などと発言したことで米国の金融政策に対するタカ派的な思惑が後退し、リスク志向の動きが強まりました。その後、データ次第でピーク金利がさらに上昇する可能性を示唆したことで売られる場面もありましたが、引けにかけて買い戻されてダウは265ドル高の34156ドルで引けました。
米国債市場は利回りがまちまちでの推移となっています。パウエルFRB議長の発言を受けて乱高下する展開となりましたが、短期債利回りが小幅に下落し長期債利回りが上昇する流れとなり、2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが縮小する展開となりました。労働市場の堅調が意識される一方、インフレに対する警戒感が後退したことでリスク志向の動きが意識されています。現状米10年債利回りは3.67%台後半、30年債利回りは3.71%台半ばでそれぞれ推移しています。
為替相場 – ドルインデックスの下落を背景に、円上昇
為替相場では、ドルインデックスが下落。米長期債利回りは上昇しておりドルの下値を支えていますが、パウエルFRB議長の発言などを受けてドルの先高観が後退し、ドルインデックスはマイナス圏での推移となっています。ただ、全体的には方向感の見えにくい流れであり、ユーロ/ドルは前日比変わらずの1.07ドル台前半での推移となっています。また、ポンド/ドルは1.20ドル台半ばでの推移となっています。
円は大幅上昇となって推移してます。ドル/円がパウエルFRB議長の発言を受けて大幅下落となるなど、調整の動きが強まる展開となっています。ドル/円は1円以上の下落となり、目先は131円を挟んでの動きとなっています。また、ドル/円の大幅下落を受けてユーロ/円やポンド/円も1円超の下落となっています。現状ユーロ/円は140円台半ば、ポンド円は157円台後半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクする動きとなりましたが、バンドの下限からの乖離が大きくなったことで修正の動きが入り、そのままバンドの中心線を目指す格好となりました。しかし、中心線には届かずに上値を抑えられており、目先はバンドの-1σ前後の水準を意識した動きとなっています。上値は重いものの下げ渋っており、方向感の見えにくい形となっています。
現状、バンドの上下限中心線が下落する形となっており、トレンドそのものは下向きです。目先は上値の重さが意識されており、再度バンドの下限まで下落する可能性が高い展開だといえます。ただ、バンド幅は比較的広い状況のため、バンドブレイクからバンドウォークといった大きな動きにはなりにくいところです。バンドの下限まで下落しても、そこで支えられるという流れも視野に入れておく必要があります。