EA-BANK モーニングレポート
ウクライナ情勢の緊迫化を受け、ダウ大きく下落(2.22 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が大幅下落となって引けています。ウクライナ情勢の緊迫化を受け、米国が追加制裁を始める意向との報道が流れる一方、ロシアがウクライナからの大使館員の出国を指示とのニュースが報じられたことなどを受け、リスク回避的な動きが強まる展開となりました。ダウは一時710ドル安水準まで下落するなど下げ幅を拡大しました。そこからは買い戻しの動きも見られ、終値は480ドル安水準となっています。先行きに対する懸念は強く、売り優勢の流れとなっています。
米国債市場では、利回りがまちまちでの推移。短期債利回りが大幅に上昇する一方、長期債利回りが上値を抑えられており、30年債利回りがマイナス圏に転じる動きとなっています。2年債入札の好調を背景に長期債利回りの上値が抑えられる一方、インフレに対する懸念から短期債に対する売りの流れが強まる展開となっています。ウクライナ情勢の緊迫化を背景にエネルギー価格や小麦などの穀物価格が大きく上昇しており、警戒感が強まる状況となっています。
為替相場 – 米株は大荒れも、為替は調整の動き
為替相場では、ドルインデックスが前営業日比ほぼ変わらずの水準で推移。NY時間帯はややドルに対する調整売りが見られ、96を割り込む動きとなっていましたが、地政学的リスクの高まりを背景に、安全資産としてのドルに対する買いの流れが強まり、下値を支えました。ドルインデックスは96を回復しての動きとなりましたが、積極的に上値を拡大する展開とはならず、目先は様子見ムードとなっています。ユーロ/ドルは小幅に上昇して1.13ドル台前半を、ポンド/ドルは小幅に下落して1.36ドル割れといった動きであり、全体的に大きな動きとはなっていません。
一方、円は軟調地合いとなっています。リスク回避的な動きが強まる一方、調整の動きが意識されドル/円が115円台を回復する動きとなっており、クロス円も全体的には底堅い動きが展開されました。ただ、前営業日に上昇していたスイスフラン/円には調整の動きが入り上値を抑えられる展開となっています。全体的に円売りの流れは根強く、ユーロ/円は130円台を回復、豪ドル/円も83円台を回復する展開となっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 目先はじり安
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から調整の動きが入り、バンドの中心線を抜けて-1σ前後の水準で支えられて持ち直し、バンドの中心線を再度抜けたものの伸びを欠き、目先はバンドの中心線を挟んでの動きが展開されています。このままバンドの中心線を意識したレンジ圏での動きが継続されるかどうかに注目です。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇といった動きとなっており、バンド幅が縮小傾向となっています。市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく展開ですが、現状バンド幅は広く縮小の余地が残っている状況です。バンドブレイクからバンドウォークといった大きな動きには目先はなりにくい形となっています。バンドの中心線を挟んでの、方向感を探る展開が継続する可能性が高そうです。