EA-BANK モーニングレポート
ウクライナ情勢の緊迫化を背景に、ダウは600ドル超の下落(2.17 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が大幅下落となって引けました。ウクライナ情勢の緊迫化が意識されてリスク回避的な動きが強まっています。バイデン大統領がロシアのウクライナ侵攻の確率が非常に高いなどと発言し、ロシアの撤収開始の主張は虚偽であるとの見方を政府高官が示したことで警戒感が高まっています。さらに新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことなども警戒感を強める流れとなっています。ダウは600ドル超の下落となるなど、引けにかけて下げ幅を拡大する展開となりました。
米国債市場では、利回りが大きく低下する展開となっています。米国の利上げに対する見方は根強く、ブラード・セントルイス連銀総裁が7月1日までの100bpの利上げを支持するなどと発言したことで債券に対する売りが意識される場面もありましたが、市場のリスク回避的な動きの強まりを受けて安全資産としての米国債に対する需要が強まりました。米10年債利回りは2.00%を割り込み、1.97%台で、30年債利回りは2.30%台での推移となっています。
為替相場 – 地政学的リスクの高まりから、円堅調
為替相場では、ドルインデックスが小幅に上昇する展開となっています。米国債利回りの大幅低下などがドルの上値を抑える一方、地政学的リスクの高まりを背景に安全資産としてのドル買いの流れが強まる中、やや方向感の見えにくい展開となりました。ただ、買い戻しの動きや米国の利上げに対する思惑、ユーロ圏の先行き警戒感などを受けてドルインデックスはプラス圏で推移するも、一方で、ポンド/ドルなどは上昇して1.36ドルを回復する動きとなっています。
円は上昇基調で推移しています。リスク回避的な動きが強まる中で円に対する買い戻しの動きが強まる展開となっています。ドル/円は115円を割り込んでの動きであり、クロス円も全般的に軟調地合いとなっています。円は対主要通貨で買われやすい地合いであり、ユーロ/円も131円を割り込んで130円台半ばまで下落する展開となっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 下げ渋りから小幅持ち直し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限を意識しての動きから持ち直してバンドの中心線まで上昇したものの、中心線で抑えられて再度バンドの下限まで下落する展開となっています。目先はバンドの下限で支えられる動きですが、上値の重さが意識されており、再度売り圧力が強まる可能性もあるでしょう。
現状、バンドの上下限中心線が下落する動きとなっています。トレンドそのものが下向きであり、戻り売り優勢の局面です。ただ、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところであり、バンドの下限で支えられてバンドの中心線を目指す動きが入ってもおかしくはありません。その場合でも、買い戻しの動きが一服すれば再度バンドの下限まで下落といった動きになる可能性が高そうです。