レバレッジ規制 25倍→10倍
2017年9月に日本経済新聞で
「金融庁はFXの証拠金倍率を、25倍から10倍に引き下げる検討に入った」
との報道が掲載されました。
各所で取り上げられているので、ご存知の方も多いかと思います。
もし今回レバレッジ規制が実施されれば、3回目のレバレッジ規制となります。
規制が入る以前は、国内FX業者でも200倍~400倍は当たり前の時代がありました。過去のレバレッジ規制の流れを振り返ると、
2010年 8月 → レバレッジ50倍に規制
2011年 8月 → レバレッジ25倍に規制
今回 → レバレッジ10倍に規制
以前の規制の時にも、たくさんの投資家やFX業者が反対意見を出したのにもかかわらずレバレッジ規制は行われました。
そのため、今回もまず間違いなく「レバレッジ10倍規制」は実施されると予想されます。
いつから規制される?
当初は2018年春ごろに実施されるとの事でしたが、2018年5月現在では、まだ規制は実施されていません。
では、いつから規制が導入されるかというと、まだ具体的な日にちは決まっていません。
金融庁のホームページで確認してみると、
店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会
2018年 2月18日 第1回開催
2018年 3月12日 第2回開催
2018年 3月29日 第3回開催
2018年 4月13日 第4回開催
着々と検討会は開催されており、レバレッジ規制に向けて進んでいるようです。詳しく知りたい方は金融庁のホームページで議事録を確認することができます。
レバレッジ規制で資金効率が悪くなる
FXではレバレッジを使って、少ない資金でも大きな金額の取引を可能にできることが特徴です。
1ドル=100円で1万通貨を取引するには100万円必要です。これに対し、レバレッジをかけると必要証拠金は以下のようになります。
・レバレッジ25倍:1万通貨を取引するのに必要証拠金は 4万円
・レバレッジ10倍:1万通貨を取引するのに必要証拠金は10万円
比べてみると、倍以上の資金を必要とし、資金効率が非常に悪くなります。
レバレッジ10倍の国内業者で複数のEAでポートフォリオを組もうとすると、レバレッジ25倍のときと比べ、倍以上の資金を増やす、もしくは取引ロット下げざる得ない状況になります。これは、われわれ個人投資家にとっては大きな痛手です。
ハイレバレッジは危険なのか?
そもそも、ハイレバレッジは危険なのでしょうか。
レバレッジ10倍で1万通貨を取引するのに必要証拠金は10万円です。
レバレッジ500倍で1万通貨を取引するのに必要証拠金は2,000円です。
例えば、1ドル=100円で1万通貨買った後、1ドル=99円になったので損切りをすると、レバレッジが10倍であろうが500倍であろうが、どちらも1万円の損失です。
レバレッジが高くても低くても、損益が変わる訳ではありません。つまり、
「ハイレバレッジ=危険」ではない
ということです。
むしろハイレバレッジは証拠金が低く抑えられるので、資金効率は上がります。
危険なのは自己管理
それでは、なぜハイレバレッジは危険といわれるのでしょうか。
ハイレバレッジだと証拠金が安いため、資金量が少なくてもたくさんのポジションが持てます。
そのため、資金に対してレバレッジかけて高ロットで多くのポジションを持つ無茶なトレードをすると、ちょっとした相場の変動であったとしても、あっという間に強制ロスカットされ、資金が吹き飛んでしまいます。
つまり、資金に対してポジション管理、資金管理ができないトレーダー自身に問題があるのです。
まとめ
国内の「レバレッジ10倍規制」は、まず間違いなく導入されます。
導入後、ハイレバレッジでトレードするなら海外FX業者一択となりますが、「レバレッジ」の仕組みを理解し正しく使えば強力な武器となり、間違った使い方をすれば、とても危険な代物になります。
資金に見合ったポジションコントロールを心掛けましょう。
(2018/6/7追記)
レバレッジ10倍規制については、5/30に開催された「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第5回)」において、いったん見送りとなりました。
ただし、有識者検討会は第6回が予定されており、レバレッジ規制を必要と考える有識者がおられることも事実であり、今後方向性が変わる可能性は残されていると考えられます。
そのため、当件につきましては、今後も情報が入り次第、追ってご紹介させていただきます。
金融庁「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」ページ