昨日のNY株式市場は上昇しての引けとなりました。米住宅着工件数が市場予想を大幅に上回ったことを背景にリセッション懸念が後退し、リスク志向の動きが展開されました。市場の早期利下げ観測が根強く、上値を拡大しました。ダウは252ドル高の37558ドルでの引けとなりました。
米国債市場は利回りが低下しての推移となっています。米国の早期利下げ観測が意識される中で債券に対する買い意欲が強まっており、利回りは低下しての推移となっています。ただ、FRB高官の早期利下げ観測に対するけん制発言も意識されており、積極的に買い進む展開にはなりませんでした。現状米10年債利回りは3.93%台前半、30年債利回りは4.03%台後半でそれぞれ推移しています。
為替相場 - ドルインデックスは軟調地合い
為替相場はドルインデックスが軟調地合いでの推移となっています。米国債利回りの上値が抑えられていることなどを眺めてドル売り圧力が強まる展開となっています。ドルの先安観が強まる中で売り優勢の流れとなっています。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台半ばから後半、ポンド/ドルは1.27ドル台前半でそれぞれ推移しています。
一方、円は軟調地合いで推移しています。日銀の金融政策決定会合や植田総裁の発言を受けて日本のマイナス金利政策解除に対する思惑が後退し、円売り圧力が強まる展開となっています。ドルインデックスは下落したものの、ドル/円は1円超の上昇となっており、ポンド/円は2円超の上昇となっています。クロス円は軒並み上値を拡大する展開となっており、主要通貨に対して円は売られる流れとなっています。現状ドル/円は143円台後半、ユーロ/円は157円台後半、ポンド/円は183円台前半、豪ドル/円は97円台前半でそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - じり高基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限を意識しての動きから調整の動きが入り、一時中心線で支えられたものの売り圧力が強まり、バンドの下限まで下落する展開となりました。ただ、下限では支えられて持ち直し、中心線を目指しての動きとなっています。現状では中心線には届いておらず、やや上値の重さも意識されていますが、まだ底堅い動きであり、中心線まで持ち直す可能性はありそうです。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇といった動きとなっています。バンド幅が縮小傾向であり、市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく形です。ただ、バンド幅の縮小余地が残っている中で大きな動きにはなりにくいところです。目先はバンドの中心線で抑えられてバンドの下限まで下落といった動きになりやすいところではないかと思われますが、バンドの下限をブレイクしてバンドウォークとなる可能性は低いとみています。