先週末のNY株式市場は上昇しての引けとなりました。ダウやS&P500が年初来高値を更新する動きとなるなど上値を拡大しました。ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことなどを受けて米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感が後退しており、リスク志向の動きが展開されました。パウエルFRB議長の発言がややハト派的といった見方となり、株価の下値を支えました。ダウは294ドル高の36245ドルで引けました。
米国債市場は利回りが大きく低下しての引けとなりました。パウエルFRB議長が「適切であれば追加引き締めの用意」と述べる一方、「政策は制限的なレベルにあり、経済を抑制している」などと述べたことで利上げの終了が示唆されたとの思惑が高まり債券に対する買い意欲が強まる展開となりました。利回りは全体的に下値を拡大する展開となっており、10bp超の下落となりました。米10年債利回りは4.19%台半ば、30年債利回りは4.38%台後半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは下落
為替相場はドルインデックスが下落しての引けとなっています。米国債利回りが大幅低下となる中で、ドルに対する売り圧力が強まる展開となっています。ただ、ユーロ/ドルは小幅に下落するなどECBの金融政策に対する思惑などを背景にユーロに対する売りの流れも展開されています。ユーロ/ドルは1.08ドル台後半、ポンド/ドルは1.27ドル台前半でそれぞれ引けました。
一方、円は買い優勢の流れとなりました。米国債利回りの大幅低下を眺めてドル/円が1円以上の下げとなっており、クロス円もつれ安となりました。パウエルFRB議長の発言を受けて米国の利上げ局面は終了したとの見方が強まっており、ドルの下落を背景とした円の買い戻しの流れが強まりました。ドル/円は146円台後半、ユーロ/円は159円台半ばから後半、ポンド/円は186円台半ば、豪ドル/円は98円台前半で、それぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - 横ばいでの推移
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクしてバンドウォークとなり、下値を拡大しましたが、目先は横ばいでの推移となっています。調整の動きが意識される局面ですが、上値の重さが意識されており、再度バンドの下限まで下落する可能性が高そうです。その際は大陰線となることもあるので注意が必要でしょう。
現状、バンドの上下限中心線が下落しての推移となっています。トレンドそのものが下向きで、上値を抑えられやすい展開となっています。目先は下げ渋っていますが、再度売り圧力が強まるのではないかとみています。ただ、バンド幅もかなり広いことから、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいでしょう。