昨日のNY株式市場は小幅まちまちでの引けとなりました。米経済指標がまちまちとなり、方向感の見えにくい流れとなっています。米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感が後退する中でダウは一時165ドル高まで上昇したものの、ポジション調整の動きや米地区連銀経済報告で経済活動の減速が指摘されたことなどが嫌気されて上値を削る展開となりました。結局ダウは13ドル高の35430ドルで引けました。
米国債市場は利回りが低下しての推移となっています。短期債利回りに対する下げ圧力が根強く、2年債利回りは10bp前後の下げとなっています。長期債利回りも上値を抑えられており、債券に対する全般的な買いが意識される展開です。米金融当局は依然としてインフレに対する懸念を表明していますが、市場は来年の早い段階での利下げを織り込みつつあり、債券市場もそういった動きに反応している状況です。現状米10年債利回りは4.26%台前半、30年債利回りは4.44%台前半でそれぞれ推移しています。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての推移となっています。米国債利回りは大きく低下していますが、ドル売りの流れに対する修正の動きが強まり、下値を支えられる展開となっています。バーキン・リッチモンド連銀総裁が「追加利上げはテーブルから外すつもりはない」などと話したこともドルの下値を支えました。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台半ばから後半、ポンド/ドルは1.26ドル台後半でそれぞれ推移しています。
一方、円は買いの流れが継続しています。米株が上値を抑えられたことなどを受けて円に対する買いの流れが継続する展開となっています。ただ、ドルインデックスが上昇する中でドル/円の下げ幅は限定されました。クロス円も全体的に上値の重い展開となりましたが、大きな動きにはなっておらず、様子見ムードが強まりました。現状ドル/円は147円台前半、ユーロ/円は161円台半ば、ポンド/円は186円台後半、豪ドル/円は97円台半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 小幅持ち直し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限を意識しての動きから小幅持ち直しとなっています。バンドの中心線を目指しての動きであり、底堅い動きです。ただ、目先は中心線に届かずにじり安となっており、ここから下げ幅を拡大して下限まで下落するかどうかに注目です。調整局面の終了からの下落といった動きとなる可能性もありそうです。
現状、バンドの上限が下落、下限が横ばいといった動きとなっています。やや上値の重さが意識されるところですが、下限が下落基調から横ばいへと変化したことで積極的に売り込む流れにはなりにくいでしょう。バンド幅も縮小傾向となっていることから、バンドの中心線を意識しての小動きとなる可能性もありそうです。レンジ圏での動きが意識されやすく、方向感は見えにくいでしょう。