昨日のNY市場は下げ幅を拡大しての引けとなりました。朝方は様子見ムードが強まる中で米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感が後退していることを背景に底堅い動きとなりましたが、米30年債入札が不調となったことで米国債利回りが上昇したことやパウエルFRB議長のタカ派的な発言などを受けてリスク回避的な動きが強まり、下げ幅を拡大する展開となりました。ダウは220ドル安の33891ドルで引けました。
米国債市場は大幅上昇となって推移しています。米30年債入札が不調に終わったことで債券に対する売り圧力が強まり、長期債利回りを中心に上げ幅を拡大しました。さらにパウエルFRB議長の発言を受けて短期債利回りも上げ幅を拡大する展開となっており、全体的に債券に対する売りの流れが強まりました。2年債利回りは5%台を回復、10年債利回りなどは10bp超の上昇となっています。現状米10年債利回りは4.63%台前半、30年債利回りは4.77%台前半でそれぞれ推移しています。
為替相場 - ドルインデックスは堅調地合い
為替相場はドルインデックスが堅調地合いで推移しています。米国債利回りが大幅上昇となる中でドルに対する買い意欲が強まる展開となっています。パウエルFRB議長の発言がややタカ派的と見られており、ドルの先高観が強まる流れとなっています。現状ユーロ/ドルは1.06ドル台半ばで、ポンド/ドルは1.22ドル台前半で、それぞれ推移しています。
一方、円はまちまちでの推移となっています。ドルインデックスの上昇を眺めてドル/円が底堅い動きとなる一方、米株の軟調地合いを背景にリスク回避的な動きが意識され、円に対する買いの動きが強まる展開となっており、クロス円は全体的には上値の重さが意識される流れとなっています。ユーロ/ドルの下落などもユーロ/円の上値を抑える展開となっています。現状ドル/円は151円台前半から半ば、ユーロ/円は161円台半ば、ポンド/円は184円台後半、豪ドル/円は96円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 堅調地合い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限を意識しての動きから持ち直し、目先はバンドの中止線を抜けて上限まで上昇する展開となっています。バンドの上限をブレイクする動きを見せましたが、バンドウォークとはなっておらず、じり安基調となりました。しかし、下値の堅さが意識されて再度バンドの上限を目指す動きとなっています。このまま上昇基調を強まるのかどうかに注目が集まりそうです。
現状、バンドの上限が上昇、下限が下落といった動きとなっています。バンド幅は拡大基調であり、ここから上昇基調を強めてバンドの上限をバンドウォークといった動きとなる可能性も十分にあるでしょう。ここからはバンドの下限の方向感に注意しながらの対応となりそうです。