先週末のNY市場は米株が下落しての引けとなりました。中東の地政学的リスクの高まりなどを背景に、リスク回避的な動きが強まる展開となりました。また、アジア株や欧州株の軟調地合いも嫌気される展開であり、下値を拡大しました。米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感も根強く、売り圧力が維持されました。ダウは286ドル安の33127ドルでの引けとなりました。
米国債市場は利回りが大幅に下落しての引けとなりました。朝方は米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感から債券に対する売りの流れが意識されましたが、中東情勢の緊迫化に対する懸念からリスク回避的な動きが意識され、安全資産である米国債に対する買いの動きが強まる展開となりました。10年債利回りが4.91%台前半から半ばで、30年債利回りが5.07%台半ばで引けました。2年債利回りの大幅下落を受けて2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが解消される展開となりました。
為替相場 - ドルインデックスは小幅下落
為替相場はドルインデックスが小幅下落となって引けました。米国債利回りの低下などを眺めてドルの上値が抑えられる展開となっています。米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感は根強いものの、ポジション調整の動きが強まっており、上値を抑えられる展開となりました。ただ、大きな動きにはなっておらず、様子見ムードが広がりました。ユーロ/ドルは1.05ドル台後半で、ポンド/ドルは1.21ドル台半ばで、それぞれ引けました。
一方、円はまちまちでの推移となっています。ドルインデックスが小幅に下落したものの、植田日銀総裁が「粘り強く金融緩和を継続していく」としたことで円に対する売りが出やすい地合いとなりました。ただ、介入への警戒感や日本のインフレ見通しの上方修正などに対する思惑などから円に対する買い戻しも意識され、ドル/円はほぼ変わらずの149円台後半での引けとなりました。また、ユーロ/円は158円台半ばから後半で、ポンド/円は182円台前半で、それぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - レンジ圏での動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線を挟んでの動きで、方向感の見えにくい流れとなっています。目先は下落基調が一服してじり高といった流れですが、様子見ムードが意識されており、狭いレンジでの小動きとなっています。
現状、バンドの上限が下落、下限がじり高といった動きになっています。バンド幅は縮小傾向で、市場にはエネルギーが蓄積されてきています。動き出したら大きくなる可能性はありますが、現状はバンドの中心線を意識しての動きであり、まずは方向感を見極めながらの対応となりそうです。バンドの上限もしくは下限での動きとなった時に注意するといった流れとなりそうです。