昨日のNY市場は米株が下落しての引けとなりました。パウエルFRB議長が「利回りの上昇は利上げの必要性低下を意味し得る」などと述べたことから、予想よりタカ派ではないといった見方が強まり、ダウは一時187ドル高水準まで上昇しました。しかし、米長期債利回りの上昇や中東情勢の緊迫化に対する懸念などから売り圧力が強まり、引けにかけて下げ幅を拡大しました。結局ダウは250ドル安の33414ドルでの引けとなりました。
米国債市場はまちまちでの引けとなりました。パウエルFRB議長の発言を受けて米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感が後退して短期債利回りが低下する動きとなる一方、長期債利回りはFEDが現状の高金利を長期間維持するとの見方が意識され上昇する展開となりました。パウエルFRB議長は市場予想よりはタカ派ではなかったものの「物価上昇率が目標の2%に向かって低下すると確信できるまで金融引き締め的な政策を維持する」とも述べており、長期債利回りの下値を支えました。米10年債利回りは4.98%台後半で、30年債利回りは5.10%台後半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは下落
為替相場はドルインデックスが下落しての推移となっています。米短期債利回りの低下などを眺めてドル売りの流れが意識されています。パウエルFRB議長の発言が思ったよりもタカ派的ではなかったことなどがドルの上値を抑える展開となっています。現状ユーロ/ドルは1.05ドル台後半で、ポンド/ドルは1.21ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
一方、円はまちまちでの推移となっています。ドルインデックスの低下を背景にドル/円の上値が抑えられましたが、米長期債利回りの上昇を眺めて下値も堅く大きな動きにはなっていません。一方、クロス円も様子見ムードが強まる中で方向感の見えにくい流れとなっています。ユーロ/円がやや上昇の勢いが強まりましたが、ポンド/円などは小幅に下落しての動きとなりました。現状ドル/円は149円台半ばから後半、ユーロ/円は158円台半ば、ポンド/円は181円台後半でそれぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - レンジ圏での動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限から持ち直し、中心線を意識しての動きとなっています。目先は中心線を挟んでの動きで方向感の見えにくい流れとなっています。狭いレンジでの動きで様子見ムードとなっています。まずは方向感を探る展開と言えそうです。
現状、バンドの上限が横ばい、下限がじり安といった動きとなっています。下限も下落の勢いは弱く、横ばいへと変化する可能性は高そうです。レンジ圏での動きが意識されやすい状況であり、しばらくはバンドの中心線を意識しての動きが継続するのではないかとみています。