先週末のNY市場は米株が上昇しての引けとなりました。米雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回ったことで米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感からダウが272ドル安となりました。しかし、失業率や平均時給が市場予想よりも悪かったことでポジション調整の動きが強まり、急激に持ち直す展開となりました。結局ダウは288ドル高の33407ドルで引けました。リセッションに対する警戒感が後退したことも好感される流れとなっています。
米国債市場は利回りが上昇しての引けとなりました。米国の非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回ったことなどを背景に金融引き締めの長期化に対する思惑が強まり、債券に対する売り圧力が意識されました。ただ、失業率や平均時給を眺めて債券に対する買い戻しの動きも見られました。米10年債利回りは4.80%台前半で、30年債利回りは4.96%台半ばから後半で、それぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは軟調
為替相場はドルインデックスが下落しての引けとなりました。米雇用統計を受けて米国債利回りが上値を拡大し、ドルも買いの流れが強まる場面もありました。しかし、米国債利回りの上昇が一服するとドルに対する調整売り圧力が強まり、ドルは下げ幅を拡大する流れとなりました。ユーロ/ドルは1.05ドル台後半で、ポンド/ドルは1.22ドル台前半から半ばで、それぞれ引けました。
一方、円は軟調地合いで引けました。米株の上昇を背景にリスク志向の動きが強まり、円売り圧力が強まりました。ドルインデックスの下落を受けてドル/円は調整売りが入る場面もありましたが、しっかりとした動きが維持されて149円台を回復しました。クロス円は全般的に買われる動きで、ユーロ/円やポンド/円などは1円超の上昇となっています。円は主要通貨に対して売られる流れとなりました。結局ドル/円は149円台前半から半ばで、ユーロ/円は158円台前半で、ポンド/円は182円台半ばから後半で、それぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - 軟調地合い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線を挟んでの動きから下落してバンドの下限を意識しての動きとなっています。目先はバンドの下限から小幅に持ち直す動きとなっており、このまま上昇基調を維持してバンドの中心線まで持ち直すことが出来るかに注目です。
現状、バンドの上下限中心線が下落しての推移です。トレンドそのものが下向きであり、上値の重さが意識されやすい形となっています。ただ、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところであり、バンドの下限では調整の動きが入りやすいところです。ただ、買い戻されても上値は重く、戻り売り優勢の流れとなりそうです。