金融システム不安根強く、米株大幅下落(3.17 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が下落しての引けとなりました。大手銀行からの支援が決まり、持ち直す動きを見せていたファースト・リパブリック・バンクの株価が急落し、クレディ・スイス銀行の株価も再度下落したことなどを眺め、金融システム不安に対する警戒感が意識され、ダウは一時517ドル安まで下げる流れとなりました。売り一巡後は下げ幅を縮小したものの、上値は重く384ドル安の31861ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大幅反落となって引けました。金融システム不安に対する警戒感が強まり、リスク回避的な動きが強まる中で安全資産である米国債に対する買い戻しの動きが展開されました。2年債利回りは再度大幅下落となって4%を大きく割り込んでの引けとなっています。長期債利回りは短期債利回りと比べれば下げ幅は限定的ではあるものの、大幅下落となっています。米10年債利回りは3.42%台後半、30年債利回りは3.61%台後半でそれぞれ引けました。
為替相場 – ドル売り圧力強まり、円買い優勢
為替相場では、ドルインデックスが下落。米国債利回りの大幅低下を眺めてドル売り圧力が強まる展開となり、下値を拡大しています。米国の利上げに対する織り込みが急激に低下していることもドルに対する売り圧力を強める展開となっています。ユーロ/ドルは1.06ドル台半ば、ポンド/ドルは1.21ドル台半ばから後半でそれぞれ引けました。
円は買われやすい地合いとなっています。ドルに対する売り圧力が強まる中でドル/円が下値を拡大する展開となり、クロス円も全般的に売り優勢の流れとなりました。リスク回避的な動きが強まる中で円に対する買い意欲が強まる状況となっています。ドル/円は132円を割り込み131円台後半、ユーロ/円は140円台半ばから後半、ポンド/円は160円台半ばでそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド –上値重い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線と下限で挟まれたレンジを動いています。今朝の動きで中心線をブレイクする動きも見られましたが、すぐに調整の動きが強まる展開となっています。上値の重さが意識される中で再度バンドの下限まで下落するかどうかに注目です。
現状、バンドの上下限中心線が下落しています。トレンドそのものが下向きであり、上値の重さが意識されやすい状況です。このまま売りの流れが継続してバンドの下限まで下落する可能性も十分にありますが、バンドの下限では支えられやすい局面だといえます。